オンライン回復で14%プラス、しかし紙媒体は軟調化の兆し…米新聞社広告費動向(2010年4Q)

2011/03/22 07:16

先に【アメリカの新聞広告の売上推移をグラフ化してみる(2010年分まで)】で、アメリカの新聞協会「Newspaper Association of America(NAA)」が公開しているデータを基に、アメリカの新聞における広告費動向を確認した。年ベースでは2010年までされており、当然四半期(Q)ベースでも第4四半期、つまり2010年10月-12月分までのものが用意されている。それを見ると年ベースより細かい単位で各項目の動向を確かめられ、今後を推し量ることができる。今回はその部分について検証することにしよう。

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データの取得場所や広告の種類に関する説明はまとめ記事【定期更新記事:米新聞社広告費動向(Q単位)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

21世紀に入ってからは、2009年までは米新聞の広告収入は右肩下がりだったものの、2010年にはさすがにリバウンドの傾向が見られたのは、以前の記事でお伝えした通り。

↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率)
↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率、2010年分まで)(再録)

↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)
↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)(2010年分まで)(再録)

このグラフだけを見ると「アメリカでは新聞業界はオンラインも含めて、広告収入はフリーフォール状態だった。だが2010年でオンラインは回復方向へ転換、紙媒体も明るい兆しが見えてきた、かも?」と思えてしまう。しかしこの2009年-2010年は直近におけるターニングポイントとなる年。同期間を四半期単位で区切り、年ベースでは無く「四半期単位の」前年同期比における推移を見たところ、単なる復調ではなく、二極化の傾向が確認できる動きを見せていることが分かった。

↑ 米新聞の広告収入推移(前年同期比増減率、直近2年間)
↑ 米新聞の広告収入推移(四半期区分、前年同期比増減率、直近2年間)

「クラシファイド広告」がもっとも立ち直りの”動き”を見せるのが早く、グラフが上昇傾向にあるのが確認できる。他の部門は2009年第3四半期までは漸減か横ばいだが、それ以降は急激な戻しを見せている。確かに2010年は2009年までと比べると雰囲気が変わりつつある。

そして2010年第4四半期のデータを入力してグラフ化するに及び、いくつかの傾向を確認することになる。一つは「オンラインは明らかに復調(前年同期比でプラス圏なので額面も増加)」、そしてもう一つは「紙はこのまま低迷・縮小を続ける気配(前年同期比でマイナス圏なので額面も減少)」。特に「ナショナル広告」の増減率が2010年第4四半期において、直前期から再び悪化してしまった(マイナス0.57%からマイナス5.66%)のが印象的である。



今後の動向はデータが更新され次第逐次お伝えする予定だが、恐らくは上記に挙げている「オンラインは前年同期比で1割前後の回復」「紙は前年同期比でマイナス数%の減少」を維持するものと思われる。景気の急激な回復は見込めないし、紙媒体の新聞の価値観が向上する事由は考えにくいからだ。日本における新聞市場の流れを予想するデータという観点においても、注視を続けたい。


■関連記事:
【1年間で103万部減……新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年分・新聞業界全体版)】

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