1999年度以来初めて8割を切る…大学生の1月末時点での就職内定率は77.4%・前年比2.6ポイントのマイナス

2011/03/19 06:50

厚生労働省は2011年3月18日、2010年度(2010年4月1日-2011年3月31日)大学等新卒者の就職内定状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2011年2月1日(1月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の割合)は77.4%だったことが明らかになった。これは一連の調査結果が公開されているデータのうち、2月1日時点のものが計測された1999年度分以降、過去最低の値を示している(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職内定状況】も発表されているが、高校新卒者の就職内定率は83.5%となり、昨年同期から2.4ポイントの上昇を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2011年2月1日時点で大学の就職内定率は77.4%。前年同期と比べて2.6ポイントのマイナスとなる。さらに今「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の調査が開始された1997年度分以降のうち、2月1日時点のデータを計測された1999年度以降においては(それより以前は3月1日時点のものが計測されていた)、2010年1月末の80.0%を下回り、過去最低の値を示している。

↑ 中卒-大卒の就職内定率(2011年1月末時点と2010年同時期)
↑ 中卒-大卒の就職内定率(2011年1月末時点と2010年同時期)

元々短期大学の就職内定率は低い傾向にあるが、今年は昨年よりもさらに低い傾向が見られる。1月末日時点でも3割強が「就職したいのに就職先が見つからない状態」にあることが分かる。もっとも就職率の高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2011年1月末時点と2010年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2011年1月末時点と2010年同時期)

国公立大・男性をのぞき、昨年同時期と比べていずれも低い値を見せている。今回においては国立・私立共に男性の方が高いのが確認できる。定例パターンの「国公立大では男性より女性、私立大では女性より男性の方が就職内定率が高い傾向」ではなく、男性の優位性が目立つ結果。これは全般的に昨年同期と比べ、女性の下落幅が男性よりも大きいことが要因。

直近8年間における内定率推移をグラフ化すると、次のようになる。いかに今回発表された内定率が低いかが理解できるというもの。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

このグラフからは、リーマンショックの影響を受けた2009年3月卒分(の2月1日現在データ)から、就職率がガクンと落ちているのが容易に把握できる。そして2010年3月卒分で勾配がキツくなり、今回データでは「やや」ゆるやかになったものの、下落傾向に歯止めはかからず、過去最低の値を示していることが再確認できる。

さらに今回は、計測開始の1996年度以降のうち、2月1日時点のデータが収録されている1999年度以降のみの推移を併記しておく。

↑ 内定率の推移(大学・全体)(各年2月1日現在)
↑ 内定率の推移(大学・全体)(各年2月1日現在)

これまで最低値だった2010年3月卒の80.0%を下回り、計測データとしては初めて8割を切っているのが見てとれる。1999年度以降の最終的な(4月1日時点)最低就職率は1999年度の91.1%で、今年度の最終就職率がこれを下回ることは容易に想像ができ、大卒就職率が9割を切る可能性が高くなってきた。さらに今年度は先の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)を受けて、企業が求人を差し控えたり、内定取り消しを行う状況も否定できず、想定以上の悪化も懸念される。



高卒者の内定率はわずかに上昇しているが、これは高校新卒者において、

・求人数は18.8万人。前年同期で0.4%減
・求職者数は16.3万人。前年同期で1.3%増
・就職内定者は13.6万人。前年同期で4.2%増

という値が出ていることに起因する。求職者数が増加し求人数が減っているにも関わらず、内定者数が増加しているということは、昨年同期より企業が早めに内定を出していることを意味する。【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】にもあるように、中高生は正社員以外の雇用形態比率が大きいことから、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性はある。

↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(2009年時点)(再録)

また、大学生の内定率が過去最低を記録した一因として、いわゆる「内定切り」批判がマスコミを中心に高められ、これを恐れた企業側が早期採用を抑えている可能性もある。直接の因果関係を結びつけるデータは確認できないが、不必要なアジテーションは当人以外の周囲皆を不幸にする事例といえよう。

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