雑誌のマイナス化続く、ネットは42.9%ものプラスに(経産省広告売上推移:2011年3月発表分)

2011/03/11 12:00

経済産業省は2011年3月10日、特定サービス産業動態統計調査において、2011年1月分の速報データを発表した。それによると、2011年1月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でプラス8.3%と増加を見せていることが明らかになった。主要項目別では「雑誌」がマイナス11.7%と、もっとも大きな減少率を記録している(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択の概要については記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で解説している。そちらで確認のこと。今記事はその2011年1月分データ(公開は2011年3月)の速報値を反映させたもの。なおそれより前のデータについては、速報値の後に発表される確定値で修正されたものを用いている。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2010年12-2011年1月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2010年11-12月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしたが、「インターネットが大きく伸びる」「テレビが復調」「新聞・雑誌・ラジオは下げ気味か横ばい」という動向は先月と大きくは変わらず。先月それなりに健闘を見せた「テレビ」は大きく上昇し、これが売上高総額をもかさ上げする主要因となった。「雑誌」は1年前の2010年1月分では、その時点で前年同月比マイナス25.4%という大きなマイナス値を見せているにも関わらず、そこからさらに大きく減らす形となっている。一部が電子書籍・インターネット上での公開に移行している可能性を考慮しても(移行したのは書籍の販売方面であり、付随する広告費周りはほぼ微額と想定される)、あまり好ましい状況では無い。

一方で「インターネット広告」は2010年1月の時点で、前年同月比がプラス0.6%。そこからさらに4割強の上乗せなのだから、大きく成長を続けているのが確認できる。

今回も該当月における各区分の具体的売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データとの違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つとしてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年1月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年1月、億円)

今回取り上げた項目中では、「インターネット広告」はすでに「ラジオ」「雑誌」を超え、「テレビ」「新聞」に次ぐ第三番目の規模にまで成長している。しかし全体に占める割合はまだわずかでしかなく(該当月全広告費の7.12%)、「テレビ」のケタ違いの大きさには太刀打ちできそうにないのも分かる(約四分の一程度)。ただし、「新聞」の広告費は中期的な流れとして漸減している一方、「インターネット広告」は伸長を続けており、順位が逆転するのもそう遠い日の話ではない。早ければ今年中には、そのような事態に遭遇する可能性はある(新聞広告費はインターネット広告費の1.27倍でしか無い)。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2011年1月分まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2011年1月分まで)

大勢としては「インターネットは激しい起伏の中で2009年後半以降は回復、プラス圏を維持。この数か月は再び大きな伸びへ」「テレビは2010年あたりから戻しの雰囲気」「ラジオはマイナス圏で低迷-やや下げ幅を縮小、一部はプラスに」「雑誌はかなり厳しいレベルの下げ幅を継続していたが、ここしばらくは復調の雰囲気も」という傾向を見せている。特に「雑誌」は(繰り返しになるが)昨年ですでにマイナス20-30%の域に達していたのに、今年はそこからさらにマイナス10%内外を見せており(今月もマイナス10%を超える下げ幅)、厳しさが胸に染み入る事態。海外での浸透やプラットフォームの急速な普及も合わせ、昨今において急速に「電子出版」「電子書籍」関連の動きが加速しているのが、広告(費)が削られる要因といえる。

「雑誌」、そして「ラジオ」の低迷と「新聞」の軟調さは広告代理店の業績上にも表れている。状況の改善を見出すことは困難で、ここ暫くはこのような状態が続くものと思われる。一方で「インターネット」の堅調ぶりは当然として、「テレビ」の復調が目立つ。少なくとも金額面ではそれなりの「戻し」を果たしているようだ。ただし出稿内容の傾向まで以前と同じものとは限らない。質的変化が生じている可能性は高いが、残念ながら広告代理店・経済産業省のデータからではそれを推し量ることはできない。

例えばテレビならば【グリーとディーエヌエーによるテレビCMの多さの「なぜ」を”もう少しだけ”考えてみる】のように携帯電話関連企業の出稿が増えたのは間違いない。その他にも一部は【関東民放テレビでのCM放送回数の上位企業をグラフ化してみる(2011年1月分)】などで間接的に把握できるのだが……。

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