2010年は183万人、前年比で5万人増加・フリーターの推移をグラフ化してみる

2011/03/13 06:51

総務省統計局は2011年2月21日に、2010年の労働力調査(詳細集計)の速報結果を同省公式サイトにて公開した(【労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果:発表ページ】)。その速報結果では2010年、さらには2010年を含む過去数年間の、日本の労働環境や雇用問題にまつわる各種データが盛り込まれている。今回はその資料から、「フリーターの推移」についてチェックを入れてみることにする。記事タイトルにもあるように昨年と比べると人数の増加が確認できるが、具体的にはどのような動きを見せているのだろうか。

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元となるデータは「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果」の「平成22年平均(速報)結果の概要、統計表」にある。それによると2010年における若年層(15-34歳)での「パート・アルバイト及びその希望者」(厳密には「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」で、しかも「パート・アルバイトとして雇用されている」「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」のいずれかに該当するものと定義づけている)は183万人となり、昨年比で5万人増、2年連続しての増加となった。

↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)
↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)

フリーターは若年層そのものの人口減少に加え、該当する層の雇用受け皿として「派遣社員」に注目が集まったことなどから2004年以降は減少傾向を見せていた。フリーターの存在そのものが社会問題化したのも大きな要因だろう。しかし2009年には再び増加に転じ、2010年もその動きは継続している。

理由は元資料には明記されていないが、いわゆる「派遣叩き」による派遣社員としての受け皿の減少が継続していること(【前年比はマイナス12万人、派遣社員受難時代続く…非正規社員の現状をグラフ化してみる】)、企業側の対応の変化(【「派遣叩き」がもたらす現実……企業は「派遣を減らしパートやアルバイトを増やす」意向】)などが影響しているものと考えられる。

また、フリーターの高齢化が指摘されているが、今データでもそれが顕著化しているのが確認できる。

↑ 年齢階級別にみた「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)
↑ 年齢階級別にみた「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)

15-24歳までの世代層では「フリーター」の減少が2003年から確認されている。また、減少過程においても、減少率・減少数共に15-24歳層の方が大きい。特に注目すべきなのは2006年から2007年の区切りで、直近9年間ではこの年ではじめて「15-24歳層」と「25-34歳層」の人数における逆転現象が起きている。今後さらに高齢化、言い換えれば「25-34歳層」の割合が増加する可能性は十分高い。

ちなみに男女別では男性よりも女性の方が「フリーター」の、若年層人口全体に占める比率は高い。男性は5.5%、女性は7.4%という値が出ている。

↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)の若年層人口に占める割合の推移
↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)の若年層人口に占める割合の推移

特に2010年において女性のフリーター率が上昇したのは注目に値する。派遣社員数全体の減少が【前年比はマイナス12万人、派遣社員受難時代続く…非正規社員の現状をグラフ化してみる】で確認されていることから、派遣契約を解除された女性が、パートやアルバイトに回った可能性が十分想定できる(女性は前年比で該当年齢層においては派遣社員はマイナス8万人、パート・アルバイトはプラス7万人、そして契約社員はマイナス4万人)。そして今後不景気や「派遣叩き」が終わらない限り、さらにフリーターの比率は高まるだろう。



「フリーター」の高齢化に伴う、定義に当てはまらない「フリーター」に類する中堅層の存在は数年前から社会問題として注目されていたが、言葉の定義内(34歳まで)でも高齢化が進行していることが改めて確認された。当人たちがそのライフスタイルを望むのならそれで良し、とする考え方もあるが、「その後」についてどのようなライフプランを持っているのか、疑問と不安を持たざるを得ない。

なお35歳以上の同様な立ち位置にある人たちは「フリーター」とは呼ばず、特定の呼称用語が無いのが実情。今後社会問題化するに連れて、別個の名称がつけられることだろう。なお当サイトでは「高齢フリーター」「壮齢フリーター」と呼ぶことにしているので、その点は留意してほしい。

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