2010年は72万人・年々増加中…高齢フリーターの推移をグラフ化してみる

2011/03/13 06:54

以前2009年分までの「35歳以上の高齢フリーター」の推移をグラフ化して精査した記事で、いわゆる一般定義における「フリーター」に該当しない年齢階層の、職業的立ち位置においてフリーターと同等にある「高齢フリーター(壮齢フリーター)」について触れた。34歳までのいわゆる「フリーター」は2010年のデータでは増加傾向にあることが確認されているが、それより上の年齢層ではどのような動きなのだろうか。今回はこの件を追っていくことにした。

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元となるデータは「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果」の「平成22年平均(速報)結果の概要、統計表」から(<【労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果:発表ページ】)。ここから該当項目を抽出、再構築している。

フリーターも月日の流れと共に歳を取り、中には就職出来ぬまま(あるいはしないまま)35歳以上となり、一般定義の「フリーター」からは除外される人も出てくる。しかし雇用上の立ち位置が変わらなければ、事実上「フリーター」と同じ。そこで冒頭にもあるように、「高齢フリーター」的な立場の人の推移を追ったのが次のグラフ。55歳以上になると通常雇用されていた人の退職者も多数混じってしまい、今件「高齢フリーター」の集計を取る意味が無くなるため、35-54歳の範囲で統計が取られている。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の推移(万人)
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の推移(万人)

定義としては年齢が35-54歳で、「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」で、「パート・アルバイトとして雇用されている」「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」のいずれかに該当する者。

本来の意味での「フリーター」は2002年以降しばらく数を減らしていたのに対し、「高齢フリーター」はほぼ一貫して(多少の起伏はあるが)増加する傾向を見せているのが分かる。35歳にまで歳を重ねた時点で突如フリーターを脱し、雇用上の安定感を得ているわけではなく、35歳以降も引き続き不安定な雇用情勢に置かれている人がいて、それが年々増加している計算(無論自分から望んでそのライフスタイルを維持している人も多数いるだろうが)。

しかも階層別で見ると「45-54歳層」はほとんど横ばいだったのに対し、「35-44歳」の増加が著しいのが分かる。このことから、本来のフリーターの「25-34歳」の人たちが逐次歳をとり、この層に加わって「高齢フリーター」の数を押し上げていることが容易に想像できる。さらに2010年は2009年から続く形で45-54歳層も増加の一途をたどっており、35-44歳の層の中からさらに年上の層に移行した人が少なからず出ている可能性を示唆している。あるいは解雇されて「高齢フリーター」の領域に収まった人も少なくあるまい。

年齢層人口に対する構成比率の変移を見ても、「35-44歳」層の増加は明らか。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の中高年層人口に占める割合
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の中高年層人口に占める割合

本来の「フリーター」における年長組「25-34歳」層が増加を続けていること、そして直近では雇用情勢は楽観視はできないことを合わせて考えると、今後「高齢フリーター」、とりわけ「35-44歳」層は増加の一途をたどるものと思われる。



繰り返しになるが「(高齢)フリーター」がすべて「望ましくない姿」と否定的にとらえられるべきではない。そのようなライフスタイルを望む(、そしてそれをかなえられるだけの条件が整っている)人も多数いる。しかし一方で、フリーターから抜け出たい希望を持っているにも関わらず、悪循環の繰り返しでフリーターの立場に居続けざるを得ない人も大勢いることは間違いない(雇用する側の立場で考えれば、それは容易に理解できるはず)。

このような状況に対し、企業、行政、そして周囲の人たちはどのような手を打たねばならないのか。該当者一人ひとり、関係各部局の意識改革が求められ、状況改善のためになすべきことは多い。まずは効果のある対策案を模索すべきだが、雇用情勢そのものが好転し難い昨今においては、後回しにされがちなのも否めないのが現状……と言うところだろう。


■関連記事:
【フリーター・ニートは減少中、ただし年長フリーターは……労働経済白書から】

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