日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2010年版)

2011/03/07 06:51

総務省統計局は2011年2月21日、2010年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を発表した(【労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果:発表ページ】)。それによると若年層(15-24歳)における完全失業率が年平均で11.0%に達したことが明らかになった。昨年より状況はやや改善されているものの、他年齢層と比べて高水準にある状況に変わりは無く、昨今の雇用情勢の悪化がとりわけ若年層に影響を及ぼしていることを裏付けている。今回は今データを元に、以前、日本の学歴・年代別失業率をグラフ化し精査した記事(2009年版)の2010年版を展開していくことにする。

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元となるデータは「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果」の「平成22年平均(速報)結果の概要、統計表」から、「表6 年齢階級,最終学歴別にみた完全失業者及び完全失業率の推移」のデータを逐次抜粋したもの。前回と同じ形式のグラフに流し込む。ちなみに「完全失業率」とは「完全失業者÷労働力人口×100(%)」で算出される。統計局の場合には「仕事についていない」「仕事があればすぐにつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」のすべてに当てはまる人が「完全失業者」に認定される。

↑ 学歴・年齢階層別失業率(2010年平均)
↑ 学歴・年齢階層別失業率(2010年平均)

全体的な構造「高学歴ほど低失業率」「若年層ほど高失業率」という構造に変わりは無い。ただ、55歳以上の失業率が高めになっているのが気になる。また、後述することになるが、今年も大卒・大学院卒の15-24歳における、つまり大学卒業後間もない新社会人の失業率が8.2%に達しているのが目に留まる。これは去年の8.0%と比べて0.2ポイントの増加(悪化)であり、由々しき事態といえる。

以前作成した2009年版の同様のグラフのデータを持ち出し、その値との比較を算出して出来たのが次のグラフ。これは2009年から2010年の1年間で、どれだけ失業率が改善・悪化したかを示す。数がプラスに大きく振れるほど失業率が増加、つまり雇用状況が悪化したことを意味する。

↑ 学歴・年齢階層別失業率(2009年から2010年への変異値)
↑ 学歴・年齢階層別失業率(2009年から2010年への変異値)

ほぼ一様に増加傾向を見せた昨年の同様のグラフと比べると、特に学歴が浅い層(青色)での改善(マイナス)が確認できる。一方で高学歴者の雇用情勢は昨年同様に悪化しているもの分かる。「前がつかえている」などの理由で高学歴のニーズが減少したか、あるいは賃金面で企業の負担が大きい高学歴者が敬遠された可能性は否定できない。

なお、就職をあきらめて大学院入りした人などは完全失業者には入らないので、このグラフには反映されないことに留意する必要がある。



今回のデータは「学歴の浅い層における雇用状況改善」「高学歴者の雇用状況悪化」の2つがポイントとなる。また、詳しくは機会を改めて解説するが、「計測該当人口はほぼ変わらず」「労働力人口はやや減少」「非労働力人口はやや増加だが、そのうち就業希望者はほぼ変わらず」「正規社員は減少、非正規社員は増加」という傾向を見ると、企業側は財務的に負担の大きい高学歴者の正規社員としての雇用を敬遠し、学歴の浅い者を非正規社員として雇用する傾向を強めていることが見て取れる。実際、雇用者に占める非正規社員比率は前年より増加していることから、この仮説の裏付けが取れる。

なお今回データを抽出した「労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果」には、注目すべきデータが多数盛り込まれている。さすがにすべてを網羅するのは不可能だが、過去の記事を踏襲する形で折を見てグラフ化し、検証を行うことにしよう。

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