読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス2.36%…新聞販売部数動向(2010年後期分データ更新・半期分版)

2011/03/04 07:21

先日【1年間で103万部減……新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年分・新聞業界全体版)】で新聞全体の発行部数に関するデータを紹介したが、その際に「主要全国紙の朝刊販売数は新しいデータが反映されたら」と、主要全国紙については後ほどという説明をした。このデータについて2011年3月3日に更新が確認できたので、今回は2010年前期分データ更新・半期分版の記事に続く形として、各種データについて最新のものを反映した上で、主要新聞社の新聞発行部数などをグラフ化してみることにした。

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まずは先日更新された最新データを元にした、主要全国紙、すなわち読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日経新聞・産経新聞の計5紙の「販売部数」。これは各紙広告関連ページで取得することができるが、【新聞広告データアーカイブ】からリンクをたどり、【読売新聞社の広告ガイドページ】に掲載されている、「日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」2010年7月-12月平均」で容易に取得することができる。なおこれは朝刊「販売」部数。

↑ 2010年後期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)
↑ 2010年後期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)

「販売部数1000万部超」をうたう読売新聞が、今回もギリギリながら1000万部を確保し、トップの座についている。次いで朝日新聞、かなり下がって毎日新聞、日経新聞、そして産経新聞の順となる。この順位は以前から変わりない。『東洋経済の2010年 2/20号 特集:再生か破滅か……新聞・テレビ 断末魔』によれば、読売新聞が1000万部を維持、むしろ部数を伸ばしているのは、「ホテルなどへの営業で即売部数が伸び続けている」のが要因とのこと。その戦略はいまだに成功を納め続けていることになる。

また、新聞業界関連の記事で良く語られるようになった、「朝日新聞絶対防衛ライン(とされていた)800万部」においては約10万部足りず、前期同様にラインを突破されているのが分かる。減少部数そのものはさほど多くはないが、「絶対この線は守る」としたものが破られた状況に対するショックは少なくない。これは先日発売された『週刊 ダイヤモンド 2011年 1/15号』の特集記事でも語られている。

1プラ・3マイ・1急降下
せっかくなのでいくつか比較グラフを生成する。まずは前回記事で掲載したように、前期との差異。単純計算で半年の間にどれだけ部数が動いたかを知ることができる。

↑ 2010年後期における主要全国紙の朝刊販売数変移(2010年前期との比較)
↑ 2010年後期における主要全国紙の朝刊販売数変移(2010年前期との比較)

絶対数的な発行部数が五大紙中もっとも少ない産経新聞の減少率は相変わらず高めだが、今期はやや大人しくなっている。しかし今回も毎日新聞は群を抜いた下落率であることが分かる。絶対部数(約8.5万部/半年)を考えれば関係者にとって穏やかならぬ心境には違いない。

さて当方(不破)は日本ABC協会会員でも無ければ新聞関係者でもないので、過去のデータを取得することはできない。さらに日本ABC協会では関連データは非公開の方針で、これらのデータの過去分は確認できなかった。仕方なく、これまで取得したデータのうち、半年前(つまり前期)との世帯普及率の比較をグラフ化してみることにした。これは全世帯のうち、どれだけの世帯に各新聞が届いているかを示しているもの。産経新聞なら2.97%なので、100世帯のうち約3世帯が産経新聞を取っている計算になる。

↑ 2010年後期における主要全国紙の世帯普及率(2010年前期との比較)
↑ 2010年後期における主要全国紙の世帯普及率(2010年前期との比較)

朝刊は世帯単位で定期購読されることが多いため、ある意味単なる部数よりも新聞のすう勢を推し量れるのだが、これを見ても読売新聞の絶対的なポジション、毎日と産経の減退率が見て取れる。



冒頭で触れたが、主要紙の発行部数は確実に減少している。さらに【新聞やテレビなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2010年版・電通資料ベース)】【20余年間の新聞やテレビ、雑誌やラジオなどの広告費の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】でも触れているが、部数の減少だけでなく質の低下も相まって、広告費も急降下状態にある。

新聞とグラフ売上を伸ばす努力はしているが、それは果たせない。となれば当然経費の削減をしなければ会社の経営が成り立たなくなるわけだが、経費削減の過程で「削りたくない・削ってはいけない部分」まで削れてしまい、会社全体としての士気減退や能力欠如が懸念される声が随所から聞かれる。しかも経費削減の成果は比較的すみやかに・数字の上ではっきりと表れるものの、その副作用はすぐには数字上に現れることは少なく、じわじわと、そして確実に浸透して影響をもたらす傾向にある。そして事態の悪化に気が付き、状況の回復を図ろうとした時には、削減した経費以上の手間暇や資金がかかり、あるいは手遅れになってしまうもの。

特に昨今、大手報道やマスコミそのもの(仕組み自身では無く、それを動かす人達の立ち振る舞い)について疑問符を投げかけざるを得ない向きがあるのは、その「副作用」によるものが一因ではないのか。そう考える人も少なくあるまい。


■関連記事:
【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】

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