世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)

2011/03/06 12:00

石炭先に【世界各国の石油埋蔵量などをグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)】【世界各国の原油生産・輸入・輸出量をグラフ化してみる(2011年3月作成・EIAデータ版)】で、【アメリカのエネルギー情報局(EIA:Energy Information Administration)】のデータ、特に【石油関連部分のデータ一覧】部分を基に、各国の石油埋蔵量などのグラフ化を行った。このEIAのデータベースには石油の他にも、天然ガスや石炭など主要な採掘エネルギー資源の埋蔵量などが収録されている。せっかくではあるので、以前【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】【石炭価格の下落で年間7000円家計が助かる!? 企業も1.5兆円の増益見込みか】でスポットライトを当てた「石炭」について一通りのデータをまとめておくことにする。

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石炭といえば、かつて日本国内では主要エネルギーの一つであり、国内でも大量に採掘されていた。1961年には年間5541万トンもの採掘が行なわれピークを記録したが、それ以降は石油に主要エネルギーの座を譲り渡したことや、外国産の石炭の方が割安ということで国内産の採掘量は激減。現在では年間消費量約1億6500万トン(2009年)のほとんどが輸入品(主な輸入元はオーストラリア・インドネシア・中国)(【石炭の学習(JCOAL)】)。

その石炭についてだが、地質学的な埋蔵量は3.4兆トンほどと言われているものの、技術的・経済的に採掘が可能な埋蔵量は約8500億トンとされている。その埋蔵量の上位国を列挙したのが次のグラフ。

↑ 石炭埋蔵量トップ15(億トン)(2008年、採掘可能量)
↑ 石炭埋蔵量トップ15(億トン)(2008年、採掘可能量)

トップはアメリカ合衆国で次いでロシア、中国の順となっている。なお今回記事の「石炭」とは、瀝青炭・無煙炭・亜瀝青炭・褐炭のすべてを含めた値である。

次いで年間の採掘量、そして採掘量と個々の国における消費量をかぶせたもの。エネルギーの需要は効率性や環境などの観点から原子力や太陽電池、石油などに主軸を移している国が多く、必ずしも消費量の大きさがエネルギー関連の技術の先端性を意味するものでは無いことに注意。

↑ 石炭採掘量トップ15(億トン、2009年)
↑ 石炭採掘量トップ15(億トン、2009年)

↑ 石炭採掘量と消費量トップ15(億トン、2009年)(採掘量ベースで選択)
↑ 石炭採掘量と消費量トップ15(億トン、2009年)(採掘量ベースで選択)

埋蔵量の順位とはかなり入れ違いがあり、トップは他国を大きく抜きんでる形で中国、ついで大きく差をつけられる形でアメリカ合衆国がついている。これは【各国のエネルギー政策が見えてくる・世界主要国のエネルギー源をグラフ化してみる】などでも解説している通り、石炭の工業使用が技術的に容易であること、さらには安価で経済的に優れていることに起因する。ただし「適切」で比較的「高い技術力」による処理をしないと、二酸化炭素の排出量など環境面での負担も大きいことに留意する必要がある。

また、消費量との重ね合わせグラフを見ると、大量の採掘量を有している中国が、それでも国内消費量に足りないのが確認できる。同様の状況はインドなどでも生じているが、中国が(言葉通り)桁違いなのが理解できよう。

さて、石炭を消費するにあたり国内で採掘できなければ、どこかから調達しなければならない。また、国内消費量以上の採掘がおこなえる国では、無理に採掘しなくてもよいし、余った分を貯蔵したり輸出する事も可能となる。そこで輸出・輸入量についてまとめたのが次のグラフ。

↑ 石炭輸出量トップ15(億トン、2009年)
↑ 石炭輸出量トップ15(億トン、2009年)

↑ 石炭輸入量トップ15(億トン、2009年)
↑ 石炭輸入量トップ15(億トン、2009年)

輸出量は日本が大量の輸入を行っているオーストラリアがトップ。次いでインドネシア、ロシアの順。採掘量の上位の国でも、自国消費量の方が多い国はほとんど輸出まで回せないことが分かる。唯一中国は自国採掘量以上の消費量を見せているものの、輸出も行っている。品質や石炭の種類の違いによるものかもしれない。

一方輸入量では日本がトップ。国内需要のほとんどを輸入に頼っているのだから仕方が無い。第二位には中国がついており、採掘量・消費量・輸入量と合わせて見返すと、アンバランスさが気になるところではある。



石炭は製鉄の原料として使われるだけでなく、発電用エネルギー源としてもいまだに重要な役割を担っている。2007年の資源高以降、採掘技術や環境対策の進歩を受けて石炭が見直されつつある話はすでにお伝えした通りだが、昨今においても同様の状況が見られる傾向がある。埋蔵量・可採年数を考えれば、今後さらに注目を集めるに違いない。

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