年齢階層別・自動車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる

2011/03/07 06:50

自転車事故先に【年齢階層別・自転車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる】で、警察庁発表の【平成22年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について】を基に自転車乗用中の年齢階層別死者数推移をグラフ化し、いくつかの考察を行った。その際、データの中に同様の区分がなされている「自動車乗用中」のものが目に留まった。当初は「蛇足だが-」のレベルで留めたグラフを創り、自転車の記事に追加するつもりだったのだが、創っていくうちに自転車と自動車のどちらがメインなのかが分からない状態となってしまった。そこで、今回このように自動車の分を切り離してまとめておくことにした。

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早速だがまずは積み上げ式で自動車乗車中の年齢階層別、死者数推移を積み上げグラフの形で生成する。データから年齢階層区分を仕切り直し、若年層(16-24歳)、高齢層(65歳以上)、その他(25-64歳、15歳以下)の三区分に再構築を行う。ちなみに若年層に「15歳以下」を含めないのは、免許取得は日本の法令上16歳以上でないと出来ないため。

↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)
↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)

乗用中の死者数は漸減。2009年から2010年にかけてはわずかに増加したが、この数年の動向を見ると1600人/年あたりが現状での下限値に近いのかもしれない。10年間で約6割減とは相当な成果があったと見て問題は無い。

続いてこれを主要年齢階層別に区分し、全体数に占める比率を算出したのが次のグラフ。高齢者の比率が漸増し、他の層が漸減している様子が見て取れる。

↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)
↑ 自動車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:16-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)

最初のグラフを見直してみれば分かるように、高齢層も人数そのものは減少している。しかし他の階層と比べて減り方が緩慢なため、個々の年における全体比としては増加してしまう。この10年間で約2倍。決して無視はできない値。一方若年層は減少傾向にあるがその減り方はスローリーで、直近数年間では下げ止まった気配すら感じられる。



今後高齢者数そのものの増加や、自動車保有率の変化(ライフスタイルや可処分所得の問題から、若年層は自動車の乗用が減り、高齢者が増える)を鑑みると、高齢者の自動車乗用中による死者数は直近の状況からさほど変化しないか、あるいはさらに増加する可能性が高い。昨今の【高齢者運転の「もみじマーク」、今日から「四つ葉マーク」が仲間入り】の話でも触れているが、片意地を張らずに現状を認識した上で判断してほしいものだ。

なお余談ではあるが、自動車だけでなく原付以上の運転者における死亡事件数を、「各年齢階層の免許保有者数」を考慮してグラフ化すると次の図になる。この図なら、「年齢によって人口数に対する免許取得者比率が異なる」状況を考慮しなくても済む。

↑ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢階層別免許保有者10万人あたり死亡事件数の推移(各年12月末)
↑ 原付以上運転者(第1当事者)の年齢階層別免許保有者10万人あたり死亡事件数の推移(各年12月末)

若年層ほど件数は多いものの、他の年齢階層との差異は着実に縮まりつつある。単に交通事故に対する各種安全技術が進歩しただけでなく、若年層の無謀運転が減っていることや、免許を取得しても運転をほとんどしない(ペーパードライバー)が増加しつつあることも一因ではないだろうか。

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