年齢層別の交通事故死者数をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)

2011/03/03 12:00

老夫婦警察庁は2011年1月27日、2010年中の交通事故の状況などをまとめた報告書【平成22年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について】を発表した。今回はこのデータを基に、以前作成した、年齢層別の交通事故死者数をグラフ化して精査した記事を最新のものに更新することにした。高齢化が進む中で、特に高齢者の人数動向が気になるところだ。

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まずは積み上げ式と個々折れ線グラフにした、年齢階層別事故死亡者の推移。これは他の記事同様「事故発生から24時間以内の死亡者」に限定している。

↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末、人)(積み上げグラフ)
↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末、人)(積み上げグラフ)

↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末、人)
↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末、人)

全体数が減少の傾向を見せているのはすでに【戦後の交通事故・負傷者・死亡者をグラフ化してみる(2011年1月更新版)】などでお伝えした通りだが、茶色が濃い層、つまり高齢者(65歳以上)のバーの部分がさほど縮んでいないように見える。また、折れ線グラフの各年齢層別を見ると、75歳以上がほとんど横ばい。

そこで今度はこれを各年毎の死亡者数全体に占める割合でグラフにしたのが次の図。一つが棒グラフで各年ごとに占める割合が分かりやすいように、もう一つは折れ線グラフで各年齢層毎の割合の変化を見たもの。

↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末)(各年合計に占める各年齢層の割合)
↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末)(各年合計に占める各年齢層の割合)

↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末)(各年合計に占める各年齢層の割合、各属性毎の折れ線グラフ)
↑ 年齢層別死者数の推移(各年12月末)(各年合計に占める各年齢層の割合、各属性毎の折れ線グラフ)

死亡者数は各年齢層で減少しているが、75歳以上がやや横ばい、65-74歳の減少率が低いため、全体に対する比率では逆に増えてしまっているのが確認できる。

それでは高齢者の交通事故による死亡はどのような傾向を見せているのか。それが分かれば、高齢者を減少傾向にもっていくためのヒントがつかめるかもしれない。そこで65歳以上の高齢者における、交通事故死亡状態別人数推移を示したのが次の折れ線グラフ。

↑ 高齢者(65歳以上)の年齢層別状態別死者数の推移(各年12月末、人)
↑ 高齢者(65歳以上)の年齢層別状態別死者数の推移(各年12月末、人)

「交通事故」であるにも関わらず、自らが何らかの車両に乗った上での事故では無く、「歩行中」によるところがもっとも多い。次いで「自動車乗車中」、そして「自転車乗車中」が上位についている事がわかる。

グラフの作成は略するが、高齢者に限って死亡事故数が多い、そして全体における交通事故死者数の比率増加の要因の一つとされる「歩行中の死亡事故」「自転車乗車中の死亡事故」の法令違反別区分を見ると、

・自転車
 安全不確認……22.4%、交差点安全進行……10.8%、一時不停止・信号無視……7.6%
・歩行中
 走行車両の直前後横断違反……17.8%、横断歩道外横断違反……15.5%、信号無視……6.2%

が上位三位を占めている。高齢者以外の割合とも傾向は大きく異なり、「自分自身の身体能力への過信」が死亡事故の引き金であることが分かる。

自動車やバスなどの交通車両を運転している人なら、横断歩道が無い場所を平気で横断するお年寄りに遭遇したことは一度や二度ならずあるはず。彼ら・彼女らの心境としては、「かつて交通量が少なかった時代と同じように(「渡りきるまで車などこない」)」「以前の若い頃の自分のように素早く」渡れると判断しているか、あるいは「自動車が来ても自分が歩いているのだから止まってくれるに違いない」などの甘い判断で横断している場合が多いと考えざるを得ない。

信号待ちをする老夫婦しかし「飛び出すな 車は急に止まれない」の標語にもあるように、横断中の人間を見かけたドライバーが瞬時にブレーキをかけても、すぐ止まれない。結果として上記グラフに「カウント」されるような事態におちいった場合、本人はもちろん家族も、そして半ば巻き添えとなった自動車運転手にも大きな不幸が襲い掛かることになる。

高齢者の人口そのものが増加するにつれ、事故対象者の絶対数・全体に占める割合においても高齢者が増えてしまうのは、統計学上仕方ない(例:同じ1%でも100人ならば1人でしかないが、1万人の場合は100人となる)。しかし一方で、「絶対数」として見た場合、「仕方ないで良いのか」ともいえる。高齢者の場合、「カウントされるような事故」の発生起因は上記のようにある程度特定されていることから、今後はこれらの対策への「これまで以上の」注力も考えねばならない。まずは徹底した啓蒙活動と、周囲の注意が求められよう。

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