エアコン、冷蔵庫、そして傘……猛暑で売れた品々の動きをグラフ化してみる

2011/03/03 07:26

総務省統計局は2011年2月15日、【家計調査報告(家計収支編)平成22年(2010年)平均速報結果の概況】を発表した。2010年時点での日本の平均世帯のお金のやり取りをさまざまな視点から眺めることができる、多種多様なデータが盛り込まれている。今回はその中から、昨年の猛暑の状況を知ることができる、前年比で大きく出費が変化した商品の動きをグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


【酷暑で冷房利用増えた 6割強】【今年の8月がいかに暑かったかがひと目で分かる図たち】などにもあるように、2010年の夏は同年春までの日照時間の少なさを取り戻すかのような猛暑(酷暑)となり、農作物にも大きな影響を与えている。また、夏物商品が大いに売れたことは記憶に新しい。家計調査報告でもこの酷暑について、複数の視点から裏付け的なデータをコラム化しているが、今回は影響を受けたと思われる主要品目の支出増減を抽出する。

一つ目のグラフは該当品目の7-9月期における「前年同期比」の変化。実質増減率なので、昨年と今年の支出を比較する際に、個々の商品に対する物価変動は加味した上での結果となっている。

↑ 猛暑により支出が増減したと見られる主な品目などの前年同期比「実質」増減率(2010年7月-9月、二人以上の世帯)
↑ 猛暑により支出が増減したと見られる主な品目などの前年同期比「実質」増減率(2010年7月-9月、二人以上の世帯)

グラフ中一番の伸び率を見せているのが「電気冷蔵庫」と「エアコン」。酷暑と共にエコポイント制度の適用により、大いに販売を伸ばしていたのが分かる。「他の冷暖房用器具(扇風機含む)」の伸びが25.5%に留まっているところを見ると、「無茶苦茶暑いしエコポイント制度もあるから、この際エアコンを買い替えるか」というパターンがあちこちの世帯で生じたものと推定される。

そして意外に思えるのが「傘(日傘含む)」。雨降りの日が多かったという記録は無いので、日傘による増加がほとんどだと思われるが、ここまで明確な形で伸びが見えるのも珍しい。他にも「果実や野菜ジュースより炭酸飲料の方が大いに伸びた」「アルコール系飲料ではビールより発泡酒などの方が伸びが良い。お財布事情があるのだろう」など、伸びた品目の中でも色々な事情がうかがい知れる。

一方、野菜の高騰(【夏以降の野菜価格の値動きをグラフ化してみる】)を受け、生鮮野菜や果物は消費を大きく減らしている。価格が上がった場合、「昨年と同じ額になる程度に購入量が減る」のではなく「昨年以上に額が減る(量はもちろん減る)」という動きを見せるのは興味深い。購入量を減らすのではなく、買う・買わないの選択をすることが多いものと思われる。

特に2010年の暑さは、残暑という形で9月に入っても続いたのが特徴の一つ。その結果、エアコンの支出の伸びが9月において異様に大きな値となってしまっている。

↑ 猛暑により支出が増減したと見られる主な品目などの前年同月比「実質」増減率(2010年7月-9月、二人以上の世帯、一部項目)
↑ 猛暑により支出が増減したと見られる主な品目などの前年同月比「実質」増減率(2010年7月-9月、二人以上の世帯、一部項目)

傘の88.4%ですらちっぽけな値にしか見えないほど。元々9月というタイミングでエアコンを調達する世帯が少なかったのも一因だが、9月に入っても続く暑さに(上記にもあるように)「暑さもまだおさまりそうにないし、冬を待っていたらエコポイント制度も終わってしまいそうだから、この際今のうちにエアコンを買い替えておくか」と、暑さとエコポイントが購入動機付けになったと考えるのが妥当といえる。

今年の気温動向だが、【気象庁の長期予報】を見る限りでは、平年より高い気温になる可能性が高いとの予報が出ている。しかし現行ではエコポイントによるかさ上げは期待できそうにないし、去年エアコンを調達した世帯が今年もまた購入するとは思えない。仮に今年もまた酷暑を迎えたとしても、ビールや炭酸飲料、アイスクリームなどの消費財ならともかく、耐久財の特需はさほど期待できそうに無い。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー