経済産業省データを元に媒体別広告費の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/03/01 07:13

グラフ先に【2010年の日本の総広告費前年比マイナス1.3%・5兆8427億円…電通発表の「2010年日本の広告費」をグラフ化してみる】などで[電通(4324)]の発表資料【「2010年(平成21年)日本の広告費」(PDF)】を元に、媒体別広告費の変遷をグラフ化した。昨年は「日本の広告費」を元に記事を書き上げた後、毎月定点観測をしている、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」のデータを基に似たような分析を行っている。今年もせっかくなので、2009年分のデータを更新する形で、経年グラフを作成してみることにする。

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具体的なデータの保存場所は【こちら(長期データ)】。ここから広告業の実数データを抽出し、計算をした上でグラフ化する。2005年までは「プロモーションメディア広告など」の項目に「インターネット広告」が入っていること、電通区分で「衛星メディア関連広告」が区分されておらず「プロモーションメディア広告など」に含まれてしまっていることなど、多少の差異があるが、大体同じような形でデータを取得できる。

まずは積上げ推移。なお、今グラフも4大既存メディアを黒枠で囲い、区分として見やすくしておいた。

↑ 媒体別広告費(積上げ推移、1988-2010年)(経済産業省データより)
↑ 媒体別広告費(積上げ推移、1988-2010年)(経済産業省データより)

電通データより古い時期からの数字なだけに、色々と感慨深いものがある。【電通資料を基に過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる(2010年分反映版) 】でも触れているが、やはり景気が良い時は広告費も大きくなり、景気が後退すると広告費も減退する。

また、それとは別に各メディアの事情……例えばテレビ広告費は2000年前後がピークであとは減少傾向を見せていたこと(【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】も参照のこと)、4大既存メディア以外の広告部門はこの二、三年の急激な落ち込みを除けば堅調に推移していたことなどが分かる。

機会を改めて触れることにするが、例えば新聞や雑誌の広告費はこの10年で半減以下。ラジオも4割減。広告費と利用率・媒体力はそのまま直結するわけではないが(景気動向やライバル媒体とのパワーバランスも影響する)、時代の流れを感じさせる。

次に構成比推移。

↑ 媒体別広告費(構成比推移、1988-2010年)(経済産業省データより)
↑ 媒体別広告費(構成比推移、1988-2010年)(経済産業省データより)

先の電通資料から作成したグラフで「インターネットと衛星メディアが既存4大メディアの広告費シェア、特に新聞と雑誌を奪い取っている」とコメントしたが、それが2006年以降に起きていることがはっきりと分かるだろう(もっとも今グラフでは衛星メディアがプロモーションメディア広告に入っているので少々分かりにくいが)。

また、テレビの構成比はさほど落ちていないどころか直近では増加しているが、新聞、雑誌の構成比が随分と減少している。これは広告費全体の上下に関わらず、この2媒体への広告費が落ち込んでいることを改めて認識させるものである。



多少の違いはあれど、媒体別広告費の状況について把握できる実情は、電通資料の推定値でも今回の経済産業省発表のデータでもさほど変わりは無い。あくまでもこれらは広告費の推移であり、部数・視聴者数の推移や媒体力、その業界の売上とはまた別のものではあるが、それぞれの媒体の「パワー」を示す一つの指針と見て問題は無い。

上記グラフで黒枠を用いて囲った各メディアが今世紀に入ってから、特にこの数年、胸を張って第三者に誇れるようなものでは無い、色々と奇妙な動きをしているのも、あるいはこのような実情を受けての焦りがある可能性は否定できまい。

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