自動車・金融が大きく減少、上昇業種ゼロ…4マス全体への業種別広告費の「5年間の」推移(2011年発表)

2011/02/27 07:30

先に【電通資料を基に過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる(2010年分反映版)】でお伝えしたように、[電通(4324)]は2011年2月23日、日本の広告費に関する調査報告書を発表した。それによると、電通推定による2010年の日本の総広告費は前年比1.3%減の5兆8427億円であることが明らかにされた。景気後退による企業の予算縮小を受けて、広告の出稿も減少。結果として広告費全体額も減少している。ただしここ数年来で比べれば、下げ幅は縮小傾向にある。今回はこの報告書から、いわゆる4大既存メディア「テレビ」「雑誌」「新聞」「ラジオ」における、業種別広告費の5年前と直近(2010年)との比較をグラフ化してみることにした。各業種における、主要媒体に対する中期ベースでのアプローチの変化をかいま見れるだろう(【発表リリース、PDF】)。

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2010年における媒体別広告費前年比は次の通り。今回取扱う4媒体では、テレビがかろうじてプラス。他はすべてマイナス。

↑ 2010年媒体別広告費前年比
↑ 2010年媒体別広告費前年比(再録)

それでは5年単位の変化はどのようなものだろうか、というのが今回の記事の主旨。

区切りを「5年」にしたのにはいくつか理由がある。一つは「きりが良いから」。一つは「2004年と2005年の間で広告費の区分などの変更がなされているため、厳密にはその間前後のデータに継続性は無いため」。そして最後に「インターネットの浸透がちょうど2005年前後から本格化したため」。

報告書には4大既存メディア「テレビ」「雑誌」「新聞」「ラジオ」に対する21に区分した広告主業種別の広告費の推移が掲載されている。2005年と2010年における値を抽出してグラフ化したのが次の図。増加した業種、ゼロ。

↑ 業種別広告費(既存4大メディア全体、2005年と2010年)(億円)
↑ 業種別広告費(既存4大メディア全体、2005年と2010年)(億円)

5年の期間には今なお続いている「金融危機」も含まれている。その影響が「金融・保険」や「自動車・関連品」に大きく出ているのがひと目で分かる。元々大きな額だっただけに、減少比率が大きいと余計に目立つ。

直上のグラフは額面の推移が把握できるものだが、減少比率を算出してグラフ化すると、個別の業種毎の「4大既存メディアに対する広告費」の減らし具合が見えてくる。

↑ 業種別広告費(既存4大メディア全体、2005年から2010年への変移)
↑ 業種別広告費(既存4大メディア全体、2005年から2010年への変移)

やはり「金融・保険」や「自動車・関連品」が極めて大きい。そしてそれ以外にも「教育・医療サービス・宗教」「案内・その他」をはじめ、多種多様な業種が広告費を大きな単位で削っているのが分かる。逆に1割未満に抑えている業種を探した方が早そうなくらい(実際、「食品」「ファッション・アクセサリー」「家庭用品」「外食・各種サービス」の4項目しかない)。各業界そのものの盛衰にもよるところがあるが、わずか5年間の変化であることを考えると、あまりにもの変移の大きさに驚く人も多いはずだ。



やや蛇足ではあるが、以前別記事でも用いた手法とは別の方法で影響度を算出しておく。今回は全項目がマイナスだったため、単純に「5年間の総減少額」のうち、どの位の割合を各業種の減少分で構成したのかを計算したもの。例えば食品は1.48%と出ているので、5年間の総減少分9659億円のうち1.48%・143億円ほどが減ったことになる。

↑ 業種別・2005年-2010年の広告費変移が与えた影響度(既存4大メディア全体、5年間の変移額のうち占める割合)
↑ 業種別・2005年-2010年の広告費変移が与えた影響度(既存4大メディア全体、5年間の変移額のうち占める割合)

「金融・保険」と「自動車・関連品」だけで減少額の3割を占めていることが分かる。また、例えば個別の減少率としてては31.6%のマイナスと大きい「エネルギー・素材・機械」は、額面の上ではメディアに対する影響は小さめなのが確認できよう。

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