雑誌はほぼ壊滅、テレビはプラス項目多し…4マスの業種別広告費動向(2011年発表)

2011/02/26 07:09

先に【電通資料を基に過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる(2010年分反映版)】でお伝えしたように、[電通(4324)]は2011年2月23日、日本の広告費に関する調査報告書を発表した。それによると、電通推定による2010年の日本の総広告費は前年比1.3%減の5兆8427億円であることが明らかにされた。景気後退による企業の予算縮小を受けて、広告の出稿も減少。結果として広告費全体額も減少している。ただしここ数年来で比べれば、下げ幅は縮小傾向にある。今報告書では広告業界に関する多種多様なレポート・データもあわせて掲載されており、業界の動向を知るのにはよい資料といえる。今回はいわゆる4大既存メディア「テレビ」「雑誌」「新聞」「ラジオ」における、業種別広告費の前年比をグラフ化してみることにした。各業種における、主要媒体に対するアプローチの変化をかいま見れるだろう(【発表リリース、PDF】)。

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2010年における媒体別広告費前年比は次の通り。今回取扱う4媒体では、テレビがかろうじてプラス。他はすべてマイナス。

↑ 2010年媒体別広告費前年比
↑ 2010年媒体別広告費前年比(再録)

さて今資料では広告出稿元を21の業種に区分し、「テレビ」「雑誌」「新聞」「ラジオ」それぞれに対する出稿広告費、各メディアへの出稿額に対する構成比、前年比の一覧が掲載されている。これをグラフ化したのが次の図。まずは新聞。

↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(新聞)
↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(新聞)

ファッション・アクセサリーのように前年比20%以上のプラスを見せているところもあるが、多くはマイナス。特に官公庁・団体の下げが目立つ。

続いて雑誌。

↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(雑誌)
↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(雑誌)

雑誌の大幅な下げが一部業種によるものではなく、ほとんど一様であることが分かる。特に自動車・関連品は30%近く、官公庁・団体は30%以上下げており、広告費削減の筆頭に雑誌が挙げられたことが推測される。

ラジオは業種毎の動きの違いが大きなものとなっている。

↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(ラジオ)
↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(ラジオ)

精密機器・事務用品と案内・その他が半減前後という異様な形を見せている。具体的には前者は「時計、カメラ・デジタルカメラ・フイルムなど光学機器、複写機、事務用品、文房具など」後者は「案内広告(新聞、雑誌)、臨時もの、連合広告、企業グループなど」と区分一覧にあるが、これらの業種がラジオという媒体の公知価値を一層低いモノととらえつつあると考えると、妙に納得してしまう。

最後にテレビ。

↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(テレビ)
↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(テレビ)

他のメディアと異なり、プラスにせよマイナスにせよ、振れ幅が大きい。そしてプラスとマイナスの業種それぞれの思惑も透けて見えてくるというものだ。



今回のグラフは、「各媒体に対する」「個々の業種別の」「広告費の前年比」である。同じ「10%のマイナス」でも、その業種の広告費そのものの額面が違えば、各媒体に与える金額的影響は異なるものとなる。例えば「年間1000億円の業種」が「10%増えた」のならその額は100億円のプラスとなるが、「年間10億円の業種」が同じように「10%増えた」としても、額の上での増加分は1億円にしかならない。個々の業種の変移はもちろん重要だが、各媒体全体に対する金額の変移も合わせて推し量るべきかもしれない。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2010年における金額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度を算出したのが次のグラフ。値が大きいほど、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。

↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2010年、前年比)(テレビ)
↑ 業種別・2009年-2010年の広告費変移が与えた影響度(前年比×2010年の構成比)

新聞は「交通・レジャー」、雑誌は「化粧品・トイレタリー」「自動車・関連品」「趣味・スポーツ用品」、ラジオは「交通・レジャー」が大きなダメージとなったのが分かる。そしてテレビでは「情報・通信」、ラジオでは「外食・各種サービス」が大きく貢献したのが把握できる。去年の各媒体の広告を思い返してみれば、「なるほど」と思い当たるところがある人も少なくあるまい。

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