映画館の値下げ、過半数は「値下げしても行く回数は増えない」

2011/02/24 06:51

映画館iMiリサーチバンクは2011年2月23日、映画に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、映画館の入場料金が現行の一般1800円から1500円に値下げされた場合、行く機会が増えると考えている人は約1/4に留まり、過半数は「頻度は変わらない」とと答えていることが分かった。さらに他の割引が無くなれば、むしろ足を運ぶ回数が減るとする意見も1割強確認できる(【発表リリース】)。

スポンサードリンク


今調査は2011年2月12日から17日にかけて、10代から60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1、年齢階層比は10代-60代まで10歳区切りで均等割り当て。

[産経ニュース]などの報道にもあるように、東宝の100%子会社でシネマコンプレックス大手のTOHOシネマズが、今年4月から一部の施設で「18歳以上は1800円から1500円」「18歳未満は1500円-1000円を一律1000円」とすることを発表している。全国導入については未定とされているものの、映画業界にはインパクトのある話として話題に登っている。今件調査はこの報道・発表を受けて行われたもので、映画の視聴頻度やダウンロード販売の利用の有無などについての設問もある。

今回取り上げるのは肝心の「報じられている規模の値下げがあった場合、映画館に行く回数が増えるか」というもの。全体では冒頭にもあるように、「来場頻度が増える」とした人は26.0%に留まり、「変わらない」が55.4%と過半数に達する結果となった。

↑ 全国で映画の入場料が現行の1800円から1500円に値下がりした場合、映画館へ行く回数が増えると思うか
↑ 全国で映画の入場料が現行の1800円から1500円に値下がりした場合、映画館へ行く回数が増えると思うか

男女別ではあまり差異がないが、女性の方がやや厳しい目を持っているようにも見える。いずれにしても「それなりの効果はある」ものの「劇的な状況改善は望めない」程度の変化が期待できる結果といえる。3/4近くはさらなる値下げを望んでいるか、あるいは価格云々の問題では無いと判断しているわけだ。

これを年齢階層別に見ると、興味深い傾向が確認できる。

↑ 全国で映画の入場料が現行の1800円から1500円に値下がりした場合、映画館へ行く回数が増えると思うか(性別・年齢階層別)
↑ 全国で映画の入場料が現行の1800円から1500円に値下がりした場合、映画館へ行く回数が増えると思うか(性別・年齢階層別)

全体では女性より男性の方が「増える」率は高いが、それが主に若年層によるかさ上げであること、そして男女とも若年層ほど「値下げされれば映画館へ足を運ぶ」という意思を持つ人が多いのが分かる。やはりお財布事情の関係で映画館から遠のいている人は、若年層に多いということなのだろう。逆に歳を経れば経るほど(可処分所得に余裕ができるので)300円ほどの値下げでは来館へのきっかけにはならないという解釈で間違いない。

映画館で上映される映画の多くが若年-中堅層向けであることを考えれば、今回の値下げ措置の話はあながち戦略ミスでは無いことが分かる。同時に映画館側には「中堅層以降の来館をうながす工夫(環境整備やコンテンツそのものの吟味)」「値下げをしても来館増加が見込める客数のは1/4程度でしか無い」などの考察が求められよう。


■関連記事:
【50年余りの間の映画館数の変化をグラフ化してみる】
【映画館で映画を観ない3大理由「高い」「行くのが面倒」「観たい映画が無い」】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー