もらった時は真っ白なカレンダー

2011/02/21 12:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
普通のカレンダーに見えるけど……カレンダーは時計などと同様に一年中常用されることが前提の日用品のため、常日頃から自分の視界の届く場所に置かれることになる。仕事場や自室にカレンダーが無いと、逆に不安を覚える人も少なくあるまい。その「日常性」に上手く取り入り、自社(商品)を一年間ずっとアピールするため、各社は年末年始にかけて多種多様なカレンダーを創り、配っていく(最近は経費削減やインターネット上でのスケジューラー普及で下火になる傾向があるが)。今回紹介するのは、受け取り時は真っ白なままで何も描かれておらず、受け取り手がある細工をすることで完成し、しかも一年間ずっと社の商品を知らしめてくれることになるカレンダーである(【I Beilieve in Advertising】)。


スポンサードリンク


↑ 贈られてきたのは真っ白なカレンダーと添付メモ。指示通りにカバーシールをめくりコーヒー粉をふりかけると……
↑ 贈られてきたのは真っ白なカレンダーと添付メモ。指示通りにカバーシールをめくりコーヒー粉をふりかけると……

これはKraft Foodsのヨーロッパ部局でコーヒー部門が行ったプロモーション。同部門の関係者や取引先などに配られたカレンダーで、多かれ少なかれ「コーヒーの専門家」を対象にしている。「日頃からコーヒーに慣れ親しんでいる人を、コーヒーを使ってちょっと驚かせ、自社への印象をさらに強くしたいナ」という意図のもとに創られた。

カレンダーを受け取った人がまず頭に思い浮かべるのは「印刷ミス?」というセリフ。何しろ一面真っ白なのだから。ふと目に留まる、カレンダーに添付されている小さなメモには「カレンダーのカバーシールをめくり、コーヒーの粉をふりかけて下さい。そして余計な粉をふり落すと、絵柄などが浮き出てきますヨ」とある。モノは試しに指示された通りにやってみると、カレンダーや絵柄が浮き出てくるという次第。

↑ 用意されているデザインは多種多様。「創って」みるまで分からない
↑ 用意されているデザインは多種多様。「創って」みるまで分からない

仕組みとしてはカバーシールの内側、カレンダー本体に、月日や模様に沿って接着面が敷かれている。コーヒー粉を上からふりかけることで、接着面にのみコーヒー粉が付着し、絵柄などが浮き出る仕組み。熱を加えると果物の汁で描いた部分だけ模様が浮き出る「あぶり出し」に考え方は似ている。

絵柄は多種多様なものが用意されており、各利用者が実際にコーヒー粉をふりかけることで、はじめて分かる。その意外性や、コーヒー粉の色合いが奏でるスタイリッシュさが大いに受けたそうな。また冒頭で説明したように、カレンダーは仕事場や自室など利用者の身近な場所に常設されるため、コーヒーのかすかな香りを部屋に振りまくことになる。コーヒー取扱いを行う者にしてみれば、まさに仕事にマッチしたものといえよう。

実際のところ、ふりかける「粉」はコーヒーで無くともカレンダーそのものは出来上がる(接着剤がコーヒー粉にしか反応しない、というわけではない)。しかしコーヒー粉を使う事で「渋い色」によるシックなものが出来上がるし、コーヒーの香りを漂わせるステキなカレンダーは、コーヒー粉以外では創りえない。作成時に少々もったいない部分もあるが、面白い切り口といえよう。


■関連記事:
【日本製紙(3893)、光触媒を利用した「空気清浄カレンダー」を今春に発売へ】


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS