【更新】「ながら」と情報源、テレビとネットの立ち位置が分かる二つの数字

2011/02/18 12:10

テレビ視聴リサーチ・アンド・ディベロプメントは2011年2月15日、録画視聴も含めたテレビ視聴に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、テレビを観ながらパソコンや携帯電話でインターネットを使う人は4割近くに達していた。若年層では特にその傾向が強く、24歳以下では6割という値が出ている。また、ニュース・新情報をテレビよりインターネットで知ることが多い人も、全体では4割近く・24歳以下では5割強となり、若年層ほどインターネットへの傾注度が高いこと、その傾向は30代から40代の層にまで及んでいることが確認できる([発表リリース、PDF])。

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今調査は2010年10月、首都圏40キロメートル圏内の18-74歳男女に対し、訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3000。男女比は非公開、年齢階層比は18-24歳337人・25-29歳293人・30代670人・40代498人・50代545人・60代481人・70-74歳176人。

今調査母体では全体で6割近くが「テレビは欠かせない存在」としている一方で、約1/3が「テレビが無くても特に困らない」と答えている。全般的に若年層ほどテレビとの距離を置く傾向が強い。

↑ 自分にとってテレビは欠かせない存在
↑ 自分にとってテレビは欠かせない存在(再録)

↑ テレビが無くても特に困らない
↑ テレビが無くても特に困らない(再録)

「欠かせない存在」ならば、真剣になって脇目も振らずに熱心にテレビ番組を観ているのだろうか。「メディア」という観点でいつも比較対象されるインターネットを提示し、テレビを観ながらパソコンや携帯電話でインターネットを使うかについて聞いた結果が次のグラフ。全体では4割近くが「テレビを観ながらインターネットを使うことがある」と回答している。

↑ テレビを観ながらパソコンや携帯電話でインターネットを使う
↑ テレビを観ながらパソコンや携帯電話でインターネットを使う

【「ながら族」浸透!? 平日のテレビ・パソコン利用時間帯のピークは共に夜9時】【TV観ながらネット 64.1%】にもあるように、元々若年層の方がインターネットに精通し利用率も高く、そしてマルチタスクで情報取得をすることに慣れている。ゆえに若年層の方が「ながら」率が高い結果が出ている。特に30代までは5割超え、40代でも4割強の値が出ているのは興味深い。

また30代までは女性の方が、40代以降は男性の方が比率が高いのは、多分に女性若年層における携帯電話への傾注度合いの高さが影響しているのだろう。一方で50代以降になると大きく値が落ちるのが確認できる。「マルチタスクでの情報取得」に慣れていないのかもしれない。

ちなみに「あちこちに気を配り過ぎて、若年層は情報取得そのものに深い好奇心を抱いていないのではないか」とする考えもあるが、現実にはむしろその逆。【若者層の新聞離れのトップは「お金がかかるから」、その意見に潜むものは……】で詳しく解説しているように、多種多様な情報取得・発信ツールに囲まれて育った若年層は、むしろ情報に対する旺盛な好奇心を持っている。しかし時間は有限でしか無い。そこで効率的な情報を収集するため、「ながら」「つまみ食い」的な手法を好むという次第だ。

↑ 効率的に情報を収集したい
↑ 効率的に情報を収集したい(【若者層の新聞離れのトップは「お金がかかるから」、その意見に潜むものは……】から、再録)

効率的な情報取得ツールを好む若年層だからこそ、テレビ以上に効率の高いインターネットを活用する。結果としてニュースや新情報をテレビ以上にインターネット経由で知ることが多くなっても、何ら不思議ではない。

↑ ニュースや新情報はテレビよりインターネットで知ることが多い
↑ ニュースや新情報はテレビよりインターネットで知ることが多い

今調査がインターネット経由では無く訪問留置法で行われたことを考えれば、30代までで約半数、40代でも1/3強が「テレビよりインターネット経由の方が、ニュースや新情報を知ることが多い」とする回答結果のインパクトがどれほど大きいかが、あらためて理解できるはずだ。また、40代-50代に横たわる「情報取得手段の”壁”」も確認できる。

なおグラフを良く見ると、30代-50代においては男女差の大きさが見て取れる。これは【主婦が見る 一日当たりのテレビ時間 平均大体3時間ほど】【テレビや新聞はパソコン・携帯では代替できない? 主婦の視点で見た、デジタルで事足りるものと物足りないもの】でも触れているように、この世代の女性は自宅で色々な家事をこなしつつ「ながら視聴」でテレビを観ているがための結果と推測できる。受動的なテレビは「ながら視聴」には大変優れたツールであることの表れともいえる。

逆に考えれば、地デジ化で便宜性の向上の一つとして挙げられている「インタラクティブ性」にどこまで有意義さを見いだせるのか、疑問視せざるを得なくなるのだが。

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