【更新】「テレビは欠かせない存在」6割近く、一方で「無くても困らない」も1/3

2011/02/17 12:10

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シニア層とテレビイメージリサーチ・アンド・ディベロプメントは2011年2月15日、録画視聴も含めたテレビ視聴に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「テレビは欠かせない存在」と考えている人は6割近くに達していたことが分かった。また、「好きな番組があり、欠かさず観ている人」も6割強に及んでいる。一方で「テレビが無くても特に困らない」と回答する人も1/3ほど確認でき、特に若年層ほど回答率が高い傾向なのが見て取れる([発表リリース、PDF])。


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今調査は2010年10月、首都圏40キロメートル圏内の18-74歳男女に対し、訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3000。男女比は非公開、年齢階層比は18-24歳337人・25-29歳293人・30代670人・40代498人・50代545人・60代481人・70-74歳176人。

4大既存メディアと呼ばれる「テレビ」「新聞」「雑誌」「ラジオ」の中でも、「テレビ」は他の3媒体よりはるかに大きな存在。広告費の視点で見ても、言葉通りケタ違いの影響力を持つ(広告費が出るということは、それだけ大きな影響力・メディア力を持つと広告出稿企業から認識されていることを意味する)。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年12月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年12月、億円)(【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(2011年2月発表分)】から、再録)

それではそのテレビは、人々の実生活においてどのような立ち位置にあるだろうか。それを推し量れるのが、今回の調査項目部分。まずはテレビの根幹を成す「テレビ番組」について、好きな番組があり、欠かさず観ているという回答者の割合。全体では6割超えという値が出ている。

↑ 好きなテレビ番組があり、欠かさず観ている
↑ 好きなテレビ番組があり、欠かさず観ている

今調査母体は18歳以上を対象としているが、【高校生や若年女性陣、テレビは熱心に観る傾向に】【中学生のテレビ平均視聴時間は2時間47分、女子の方が10分長いヨ】などを見れば分かるように、それ以下の年齢の子供は一層長い時間・熱中して視聴していることが予想される。今グラフでは「若年層ほど醒め、歳を経るほど熱中する」という結果だが、実際にはおわん形(Uの字)を形成すると見てよい。ともあれ、高齢者ほどテレビ(番組)に熱中している様子が分かる。70歳を過ぎると実に8割以上に達している。

また、男女別に見ると全般的に女性の方が回答率が高く、世間一般に言われる「女性のテレビ好き」が改めて確認できる結果となっている。

欠かさず観る番組があるほど熱中しているのなら、そのテレビが無くなったらと考えただけでも身震いするかもしれない。そのように感じる、言い換えれば「自分にとってテレビは欠かせない存在である」と考えている人の割合も、やはり若年層ほど低く、高齢層ほど高い値を示している。

↑ 自分にとってテレビは欠かせない存在
↑ 自分にとってテレビは欠かせない存在

70歳以上になると7割以上もの人が「テレビは欠かせない」と断じている。18-24歳の5割足らずと比べると、実に20ポイント以上もの差が出ている。

興味深いのは世代間の違いもさることながら男女の差。70歳以上をのぞけばほとんど差が出ていない。それどころか男性の方が上回る世代も確認できる。「欠かさず観る番組」の率は一様に女性の方が高かったことを考えると、いわゆる「ながら視聴」などでよく番組を目にしているが、それほど重要視して腰を据えてまで観る必要性を、女性はさほど感じていないのではないだろうか。

テレビが欠かせない存在である、と考える人がいるのなら、逆に「無くても別に困らない」という人もいる。当然のことながら若年層の方が多いのだが……

↑ テレビが無くても特に困らない
↑ テレビが無くても特に困らない

全体ではほぼ1/3だが、24歳以下の男性に限れば半数近くの人が「テレビが無くても特に困らない」と回答している。女性のテレビ好きは特に若年層に強い傾向があるようで、20代までは男性と比べて女性の回答率の低さが目立つ。

しかし30代以降は男女間であまり差異は見られなくなる。そして60代で突然回答率が回復する傾向を見せ、70代で急落する。60代で回復する=テレビが無くても困らない層が増える動きについては、定年退職を迎えて新たに色々な事柄にチャレンジすることで、テレビにしがみつく生活パターンから離れている可能性がある。

ともあれ、全般的には女性よりも男性、高齢者よりも若年層の方が、テレビとの距離を長めに置く傾向が見られることに違いは無い。逆に、とりわけ70歳以上の高齢者におけるテレビ好き・テレビと一体化した日常生活も容易に想像できる。【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】などの話が改めて裏付けられた形といえよう。


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