オンライン広告もマイナス12%に、紙媒体は軒並み2割超減…米新聞社広告費動向(2010年発表)

2011/02/07 07:19

先日、以前に海外のメディア関連情報サイトeMarketerに掲載されたデータを基に執筆した、アメリカの新聞広告の売上推移をグラフ化して内容を精査した記事に対し【最近のデータはどのような推移を見せているのか】という間接的な問い合わせをいただいた。日本の新聞に関しては【1年間で103万部減……新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年分・新聞業界全体版)】などで定期的に更新しているのだから、色々な意味で先を進んでいるアメリカの新聞業界においても追いかけるべきだと実感。そこで今回は最新のデータを探した上で「アメリカの新聞広告の売上推移をグラフ化してみる」の内容を更新すると共に、もう少し他の角度からもグラフを生成することにした。

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データの取得場所や広告の種類に関する説明はまとめ記事【定期更新記事:米新聞社広告費動向(Q単位)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

今回ターゲットにするのは、アメリカの新聞の広告収入推移。以前の記事で掲載した領域で、同じように最新データの分まで反映させて生成したのが次のグラフ。

↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率)
↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率)

2010年の第4四半期データがまだ算出されていないので、年ベースでは2009年までのものしかないが、その限りでは絶賛(!?)下降中なのがひと目で分かる。オンライン広告ですらマイナスを指しており、少なくとも2009年までは新聞業界の広告状況は大騒ぎ状態であることに間違いは無い。

グラフをよく見直すと、それでもオンライン(インターネット)広告はまだマシに見える。何しろ2007年までは10%、20%は余裕で前年比プラスの伸びを見せていたのだから。しかし日本の広告業界同様に、オンライン広告は伸び率ほど高めでも額面はまだ小さく、他の広告の減少分を補うまでには成長していない。それを確認できるのが、次の「具体的額面」から生成した広告収入推移。

↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)
↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)

アメリカにおけるメディア周りの変化スピードは日本の比ではない、というのは良く言われている話だが、それを実感できるグラフでもある。2007年、インターネット(によるニュース展開)が本格的に浸透しはじめたあたりから新聞広告費は激減。2006年と比較して2009年では半額近くにまで落ち込んでしまっている。とりわけ緑の部分、「クラシファイド広告」の減少ぶりが半端でないのも分かる。

NAAのデータページでは1950年前後からの経年データが掲載されている。せっかくなので上記2グラフにおいて、対象領域を保存されているデータすべてに拡大したグラフを生成することにしよう。

↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率)(長期データ)
↑ 米新聞の広告収入推移(前年比増減率)(長期データ)

↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)(長期データ)
↑ 米新聞の広告収入推移(単位:100万ドル)(長期データ)

まず前年比増減率の折れ線グラフだが、1980年代までは一時的にマイナス圏に落ち込むことがあっても精々マイナス5%前後に落ち着いていたものが、1990年代の不況時以降は10%内外にまで下落を見せ始めるようになるのが分かる。そして2000年前後のITバブル崩壊前後で初めて前年比マイナス10%を下回る下げを記録する(クラシファイド広告がマイナス15.2%)。その後やや持ち直しを見せるものの、今度は経済全体の不況に加えてメディアそのものの環境変化によるダブルパンチを受け、マイナス10%どころか20%、30%は当たり前に……というのが2009年までの流れとなる。

金額ベースのグラフで見ると直近2回の不況時において具体的に広告費が落ち込んだ「凹み」が確認できると共に、その額も大したのものでは無かったこと、そしてそれと比較して21世紀に入ってからの「メディアそのものの環境変化」を受けての広告費減退が生半可なものでないこともひと目で把握できよう。色々な意味でアメリカは日本の先を行っている、と評しても問題は無い。



NAAのサイトには現時点で2010年第3四半期(7-9月)分までの、四半期データが掲載されている。そこには一部セクタでの復調ぶりが確認できる。これについては機会を改めて触れてることにしよう。

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