あるべきものが無いことで生じる違和感を活用した広告

2011/02/06 06:28

違和感を覚える新聞世の中には、提供側にとっては必要不可欠で受け手側にも便利なものの、過剰な量になると「過ぎたるは及ばざるがごとし」の言葉にあるように「どうかな?」と思わせるものが存在する。しかしそれらが突然無くなると、違和感を覚えると共につい目を向け、注意を払ってしまう。そのような人間のありがちな習性を活用したのが、今回紹介する新聞広告である(【Creative Criminals】)。

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↑ 見開きの新聞。でも何か違和感。あるべきものが欠けている……
↑ 見開きの新聞。でも何か違和感。あるべきものが欠けている……

これは南アフリカでもっともよく知られているインターネットプロバイダーMWEBの広告。同社はインターネットの接続サービスだけでなく、日本の企業同様に各種フィルタリングサービスも提供している。今広告はそれをアピールするためのもの。

メジャーな新聞に展開されたこの見開き2ページ、記事部分はいつも通りごく普通の内容が展開されている。注目すべきは広告部分。同社は見開き2ページの広告枠をすべて買い取り、その部分にほぼ空白の広告を挿入した。読者はぱっと見で印刷ミスか「不景気で広告が入らなくなったのかな、でも普通は自社広告が入るはずだが」などと考え、記事本文以上に広告に目が留まってしまう。

MWebの広告部分しかし真っ白な広告部分に注目すると、中央部分に小さな文字が。そこには「ここの広告はMWEBのスパムフィルタによって削除されました」と書かれている。それを読んで読者は初めて、この見開きページの広告がMWEBによるものであること、広告が消えてスカスカした構成紙面はMWEBのスパムフィルタ技術の高さを示したものであることが分かる。同社のフィルタで、本来あるべき広告が消されてしまった状態をイメージしているわけだ。

ウェブページのバナー広告などを取り除くサービスを用いて閲覧すると、そのサイトのデザインイメージが随分と変わった印象を受けるもの。今件はそれを新聞紙上で疑似的に再現している。読者はあらためて「ここまでザックリとフィルタリングしてくれるのか」と、MWEBの技術力の高さを心に刻むことになる。

従来広告スペースには出来るだけ多くのことを盛り込んで、読者に伝えたい事を掲載するのが普通。例えば【自称・世界一縦長なバナー】のように、その「伝えたい」ことを過剰にアピールし、それ自身を広告のインパクトとして用いる場合すらある。しかし今件は「広告には伝えたい事柄を描く」という発想をひっくり返し、「何も伝えないこと(厳密には1行のメッセージはあるが)」で自社のサービスの良さをアピールすることに成功している。ある意味、もっともデザイン上のコストパフォーマンスが高い広告とすら評せる。

大胆かつ効果的。誠に見事な発想の手法だといえよう。


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