【更新】世界各国の金(きん)保有量(2011年1月版)
2011/02/02 07:04


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↑ ニューヨーク金価格の動向(週足)。【フジフューチャーズ】から
説明によると今データは【the World Gold Council】の月次データなどを元にしたもので、記事の投稿そのものは2011年1月26日。保有「量」については現時点とさほど変わりはないと考えて良い。
元資料は金の保有量別に上位15位の国・組織についてスライドショーにて説明しているので、まずは保有量そのものをグラフ化する。

↑ 世界の金保有量(2011年1月)
アメリカ合衆国の金保有量の膨大さがあらためて理解できると共に、ドイツやイタリアなどヨーロッパ諸国が金を大量に確保しているのが見て取れる。これは元々ヨーロッパにおける金や銀などの貴金属に対する価値観が影響していると考えて良い。財政危機にあるとされるイタリアも、意外に多くの金を保有しているのが分かる。また、日本は843.5トンと世界では9番目(IMFもカウント)。前の記事でも触れたが、もう少し多くてもいいのではないかと思うのは当方だけではないはずだ。

さて元資料では保有量以外に時価総額も掲載されている。以前は外貨準備高(外貨建て資産)に対する金の割合もあったのだが、今回はそれが省略されていた。外務省の【主要経済指標(PDF)】を元に独自に算出してもよいのだが、一部の国のデータが無いし、計測時期も微妙に異なるので今回はパス。ちなみに日本について換算すると、2010年12月時点での金以外の外貨準備高は10614.9億ドル。よって金の外貨準備高に対する比率は約3.3%となる。これは財務省が発表している【外貨準備等の状況】から算出した約3.2%とほぼ一致する。これは「少ない」と愚痴をこぼしたロシアの半分以下でしか無い。
今回も代わりに、前回からのデータ更新に伴い、両時期双方で掲載された国など(幸いにも今回も全諸国・団体が該当)における変化量を算出。これをグラフ化した。

↑ 世界の金保有量(変化量、2010年5月→2011年1月、トン)
ロシアの増加量が際立って多いが、少なからずは自国内の算出分も含まれていると思われる。前回の変移グラフで目立ったインドは、今回はほとんど動じず……というより大きく動いたのはIMFとロシアだけで、この2者間による間接的な取り引きが容易に想像できる。なおIMFは昨年末に売却プログラムを終了しており、今後新たな売却プログラムが実行されない限り、今回のような動きは無いだろう。
金価格は前回記事執筆時よりさらに値を上げている。冒頭でも触れたように直近ではやや値を下げているが、これが天井観から下落傾向に至るプロセスを意味するのか、それとも単なる踊り場でしか無いのか、現状では判断が難しい。金価格そのものの変動と共に、主要国の保有量の変化についても、引き続き注意深く見守っていきたいところだ。
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