中国海軍が空母として艤装(ぎそう)中の旧ソ連空母「ヴァリヤーグ(Varyag)」、作業中の動画がインターネット上に掲載

2011/02/01 19:30

「ヴァリヤーグ(Varyag)」あるいは「Shi Lang(施琅)」【The Wall Street Journal】は2011年1月31日、中国(人民解放軍)海軍が現在艤装(艦艇の各種装備を船体に取りつけること)中の旧ソ連空母(航空母艦)「ヴァリヤーグ(Varyag)」の姿を映した動画が中国のインターネット上の動画投稿サイト「Youku」に同年1月28日付で掲載されたことを報じた(【Youku内該当ページ】)。先日ステルス戦闘機と自称している「殲20(J20)」の姿が掲載されたのと同様に、匿名による隠し撮り的な投稿であることも合わせ、撮影時期が明らかでないにも関わらず、さまざな論議を呼び起こしている。

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↑ YouTube上に転載された該当動画。
↑ YouTube上に転載された該当動画。

【中国が2年後に空母戦闘群配備との報】【中国、国産の空母建造を計画か】などでも伝えているが、該当する空母は旧ソ連製の「ヴァリヤーグ(Varyag)」。アドミラル・クズネツォフ級の2番艦として起工・進水したものの、ソ連邦の崩壊など政治的情勢に翻弄され、所属国はソ連からロシア、ロシアからウクライナへ変わる。そしてウクライナは「船体部分をカジノとして使う」という名目で購入に名乗りを挙げたマカオの自称中国系民間会社に売却。その後中国の大連港に係留され、しばらく経過した後に中国海軍の塗装が施される。それ以降はその民間会社が中国のダミー会社であるとの嫌疑が晴れぬまま、艤装作業は続けられている状態。

今回の動画の内容について元記事では「Shi Lang(施琅)」(1681年に台湾を征服した中国の将軍名)と命名されているらしいことをはじめ、実際に運用する空母としての完成を目指す他に、ロシアの艦載機Su-33を模した(Su-33のベース機Su-27の、ライセンス生産型J-11をベースにしたとする説もある)中国版艦載機「殲15(J15)」の離発着訓練用のプラットフォームとして使う可能性を示唆している。

従来は軍の最高機密レベルに属するはずの空母の、極めて近距離からの隠し撮りと思われる動画が「中国国内の」動画共有サイトに掲載され、4日経った現在に至るも何の動きも見られない。このことから、「対外的な軍事力の誇示」「国内の軍事強硬派に対するアピール」などを目的に、意図的に流した、あるいは「隠し撮り」そのものも(先の「殲20(J20)」の話同様に)自作自演の可能性があると元記事では言及している。

なお動画の後半部分で映し出されている、航海中の空母は「ヴァリヤーグ(Varyag)」では無くロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ(つまり「ヴァリヤーグ(Varyag)」の同型艦にしてネームシップ)であること、飛行している艦載機もロシア製のSu-33であることから、ドキュメント動画というよりはイメージ動画の性質が強い。この事も合わせ、元記事での「国内外へのアピールのための意図的なもの」とする説の信ぴょう性は高いと見てよい。

また、動画の前半部分(ちなみにカメラを持った人の載っている船が動いているのであり、空母側は泊まったまま)、さらには【昨今の動向を納めたギャラリーサイト】で確認できる実情、有識者の意見などを総合すると、公試(船舶建造の最終段階で行う性能試験のことで、完成時に予定していた性能を発揮するか確認するもの。海上公試)には程遠く、艤装も半ばの段階であり、稼働(いかなる形であるかは別としても)にはまだしばらく時間はかかるであろうとの見解で一致している。

とはいえ、今空母に関する動向には、怠りなく注意を払い続けねばならないことに変わりは無い。それと同時に、海上自衛隊や米海軍の艦艇、特に空母に対して「平和を脅かすもの」として強い懸念や実力行使的な抗議活動をしている方々においては、平和維持のために同様の「努力」を是非とも断行していただきたいものである。

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