高齢者は食料品がメイン…世代別の万引きの犯行場所や目的物をグラフ化してみる

2011/02/02 12:10

万引き先に【「高齢者万引き数増加」の話をグラフ化してみる】で示した、未成年者と高齢者の万引きに関する解説だが、これは警視庁が2009年に発表した【万引きに関する調査研究報告書(PDF)】のデータが元になっている。この報告書は警視庁が2009年4月から6月にかけて行った調査をまとめたもので、万引きの被疑者からの聞き取り内容が豊富に盛り込まれている、非常に稀有で資料価値の高いものといえる。今回はその中から、「万引きの犯行場所・目的物」についてグラフ化を行うことにする。

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今調査は万引きの被疑者1050人を対象にしたもので、年齢階層は少年(未成年者)40.8%・成人39.8%・高齢者(65歳以上)19.4%。男女比は644対406人。未成年者の学年区分は小学生12.4%・中学生45.6%・高校生30.6%・その他11.4%(未成年者中の比率)。成人の40.9%・高齢者の40.2%が一人暮らしをしている。また成人の22.2%・高齢者の42.2%が資産なしと答えている。さらに今件は万引き全体ではなく、調査対象となった被疑者を母体としていることに留意する必要がある。

万引きとは先の記事にもあるように「窃盗の一種」「営業時間中の商店・小売店などにおいて、販売を目的として展示・陳列してある商品・見本および展示・陳列のための備品などを、店側の目を盗んで窃取する行為」と定義づけることができる。つまり「窃盗」の一形態に過ぎない。しかし「万引きだから窃盗と比べて社会的に容認してくれるし罪も軽いはず」という誤認が、特に被疑者も含めた未成年者やその保護者に認められる。これは非常に残念な状態といわざるを得ない。その誤認が多くの人の悲しみの元になりかねないからだ。

さてまずは犯行場所についてだが、全体としてはスーパーがもっとも多く、次いでコンビニ、量販店と続いている。

↑ 万引きの犯行場所
↑ 万引きの犯行場所

書店が意外に少なめだが、今件はあくまでも被疑者を対象としているのが(恐らくの)原因。警察へ連絡する前に書店内で事態を終息させてしまった事例が少なからず存在するものと考えられる。しかしそれでも少年に限れば14.5%と多め。また少年は「デパート」「量販店」も多く、一方で成人は「コンビニ」、高齢者は「スーパー」の項目で、各世代間でもっとも多い値を示している。これは【一人暮らしの買物生活はどのような変化をしてきたか…過去15年間の買物先の移り変わりをグラフ化してみる】【一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り…世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる】などと比較すれば分かるのだが、それぞれの世代において多用している小売店の違いが、そのまま反映されている。

またこの違いは、万引きの対象物とも密接な関係にあることが分かる。

↑ 万引きの目的物
↑ 万引きの目的物

未成年は食料品以外に日用品や本・雑誌の類が他世代と比べて大きい。また、CD・ゲームよりもゲームカードの方が高い割合を見せている点に驚く人もいるかもしれない。一方成人は食料品が大きくなるが、それと共に衣類、CD・ゲームも未成年と比べて高数値を見せている点に注目する必要がある。この値を見て、「大の大人が…」とうなる人も多いだろう。

高齢者は8割近くが食料品。日用品も比較的高めで、衣類がそれに続いている。ゲームや本などの娯楽品の割合は小さく、あくまでも日常生活に用いる用品が中心であることが分かる。



詳しくは別記事で触れるが、高齢者による被害額は他の世代と比べて小さめ。また、困窮度が高い人ほど食料品に手を出す割合が高いところから、困窮度の高めな高齢者が食料品に手を出しやすいものと推測される。

しかしその一方、犯行時の所持金については、「持っている」と回答した世代は高齢者がもっとも多い(これもまた別記事で詳細を解説する)。単純に「金銭的に追い込まれた高齢者が食料品に手を出すという、戦後直後に見られた窃盗パターン」と同じものと考えるのは早急な感は否めない。

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