一人目の子供が産まれた後、仕事は? 第一子出産前後の就業経歴をグラフ化してみる

2011/01/31 07:22

先に【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移をグラフ化してみる】でデータ取得元の一つとして厚生労働省の【出生動向基本調査】を活用した。この資料には少子化問題などを推し量るのに役立つデータが多数盛り込まれている。そのデータを基に色々とグラフ化したり精査を行う一連の記事として、今回は「第一子出産前後の妻の就業経歴の構成推移」を見ることにする。要は「妻が出産した前後で、その妻の仕事に何か変化があったか・なかったか」というものだ。

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用いる資料は【統計データの収録先】において最新のデータとされる【第13回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査夫婦調査の結果概要】。2005年6月1日時点で妻の年齢が50歳未満の夫婦を対象に、無作為抽出した1048か所から700地区を選定。その上で配票自計・密封回収方式で行ったもので、有効回答数は2005年調査では6836組。そのうち初婚同士の夫婦5932組について集計が行われている。

【出産や育児で困る・不安事、トップは「育児費用が負担に」】【育児負担、専業主婦は金周り・就業主婦は「環境」「復職」】などでも触れているが、夫婦の共働きが珍しくなくなった昨今においては、妻の就業が出産と少なからぬ関係を持つようになってきた。元々専業主婦なら問題は無いが、兼業主婦だった場合、出産に合わせて現職を休職、あるいは退職せざるを得なくなる場合もありうる。職場の仕組みとして育児休業制度があれば良いが、無い場合復職は困難なものとなる。

今調査では子供(第一子)の出生年に合わせ、出生前後の妻の就業状態についての調査項目があり、その結果も提示されている。

↑ 子供の出生年別、第一子出産前後の就業経歴構成
↑ 子供の出生年別、第一子出産前後の就業経歴構成

これを見るといくつかの主婦事情が分かってくる。まずは「妊娠前から無職」の率が漸減していること。逆にいえば「妊娠前は就業していた主婦が漸増している」ことを意味しており(実際、「就業継続」+「出産退職」の比率は増加している)、共働き世帯が漸増していたことの裏付けにもなる(【雇用不況で共働きにも変化が? …共働き世帯の増え方をグラフ化してみる(2009年分反映版)】)。

働く女性次に、就業を継続した主婦(グラフ中黒枠で囲った部分)においては、育児休業制度を使う人が増えているのが分かる。会社の制度として整備が進んだことに加え、社会的にも育休を積極的に活用すべきであるという雰囲気が浸透していることの表れといえる。

一方で、出産前後に就業を継続した人の比率そのものは大きな変化が無く、出産退職をした人が漸増しているのが分かる。育休が制度として用意されていても、企業の現状や出産後の育児を考えると、数年単位での復職は困難と判断した上での退職だろう。さらに遠因として【四分の三は3人までの世帯、進む少人数世帯化…構成人数別世帯数の推移をグラフ化してみる(2009年分反映版)】でも指摘しているが、保育所などの施設不足が考えられる。

「出産退職」の項目回答者の理由を知りたいところだが、今調査ではそこまで問い合わせてはいないので詳細は分からない。ただし今件の状況を認識した上で、「出産退職」を望まない(仕事へのこだわり、家計上の問題)という理由から出生をひかえる夫婦が少なからずいるのは確実。少子化対策の一環として、「出産退職」率をいかに減らしていくかも考察すべきだと思われる。

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