「ここまで小さく折り込めますよ」がぱっと見で分かる折りたたみ式自転車の広告

2011/01/26 07:02

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折りたたみ式自転車駅や電車の注意書きプレートを見ると、その中に「自転車を持ちこまないように」という記述を見かけることがある。実際には「混雑時で無い限り」「折りたたんで専用の袋に入れてあればOK」、「折りたたみ・分解して専用袋に入れてあればOKだが、有料手回り品扱いされる」など、鉄道会社によって取り決めは異なるため、持ち込みには注意が必要だ。それらのルールを守って電車内に自転車を持ち込んでいる事例を見かけた時、やはり感心してしまうのは、「よくぞまあ、ここまで小さく折りたためるものだ」ということ。それはまるで折り紙や、変形合体ロボットの変形前の姿のようですらあり、手品師が持つシルクハットの中身をのぞき見た時のような、少々お得な気分にもさせられる。今回紹介するのはそのような「神秘的なイメージすら想像させる」、折りたたみ式自転車の特徴がひと目で分かる広告である(【Creative Criminals】)。


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↑ 36分の1に折り込んだ跡が分かる紙の片隅に自転車が……
↑ 36分の1に折り込んだ跡が分かる紙の片隅に自転車が……

↑ 拡大図。「LA Bicycle:Folding Bike」という文字と、折り畳んだ後の自転車が確認できる
↑ 拡大図。「LA Bicycle:Folding Bike」という文字と、折り畳んだ後の自転車が確認できる

これは1998年に創設されたタイの自転車会社LA Bicycleの広告。同社は多種多様な自転車を開発製造販売しており、当然折りたたみ式自転車も多数を展開している。その折りたたみ式自転車の最大の特徴である「小さく折りたためる」という点での性能の良さを、多くの人に直観的に知ってもらおうというのが、このポスター・広告のコンセプト。

本物の折りたたみ式自転車は、色々と、それこそ冒頭で触れたように変形ロボットの変形シーン(元に戻るシーン)のように、あちこちを折り曲げたり戻したりして元の大きさの自転車に成形したり、小さく折りたたむもの。しかしはた目で、当方も含めた素人目で見れば、単純に「一枚の紙を何重にも折りたたんで小さくする」のと同じように思えてくる。

そこでLA Bicycleでは幾重にも折り目をつけた紙のように見える紙面の、一番隅っこの部分に、自社ロゴ付きの折りたたんだ状態の自社自転車を小さくプリントした。ぱっと見では「右下に小さく自転車とロゴがあるだけではないか」と思えてしまうかもしれない。

しかし都合1/36に折りたたんだ跡と、その自転車やロゴが1/36の一区分に収まっているのが分かると、「なるほど、LA Bicycleの自転車は、この紙を小さく折りたたんだくらいに、ミニサイズにまで折りたためることができるのか」と実感してしまう。やや想像しにくいかもしれない「自転車の折りたたみ・サイズの縮小化」を、誰もが容易にイメージできる「紙の折り込み・サイズ縮小化」とダブらせて印象付けさせたわけだ。

繰り返しになるが、本物の折りたたみ式自転車のサイズ縮小化は、紙を折るがごとく「両端を持って真ん中から閉じるように折りたたむ」わけではない。しかし「小さく折りたたむ」「原型からは想像も出来ない位に小さくできる」という商品の特徴・イメージをダイレクトに見た人に刻ませてくれる。その点では、非常にシンプルで優れた広告といえよう。


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