「政治家に任せ切りは良くない」の増加、若年層の投票意向の回復…政治に対する意識変化を探る

2014/11/06 08:23

国民を代表し、国の施策を執り行うのが政治家であり、その政治家を選出するのが選挙である以上、政治への関心はそのまま選挙への関心に直結することになる。昨今では若年層の投票率の低さがしばしば問題視されるているが、政治・選挙に対する意欲はどのような状況にあり、過去から現在において変化を示してきたのだろうか。統計数理研究所による定点観測的調査【日本人の国民性】のデータを基に、その実情を確認していくことにする。

スポンサードリンク


調査要件などは今調査に係わる先行記事【「若者は自分勝手で他人より自分のことばかり」は本当か】で確認のこと。

まずは複数の設問から政治意向に対する項目を抽出し、賛成意見比率を集約し、一つのグラフにまとめることにした。

↑ 政治意向に関する問題(該当項目から抽出、賛成意見回答率)
↑ 政治意向に関する問題(該当項目から抽出、賛成意見回答率)

一番気になるのが「支持政党なし」、いわゆる「無支持派層」と言われる存在。公開上のデータは1998年以降の4回分しかないが(公開データの表記では「支持政党」の項目は回答時の政党分布毎に仕切り直しがされており、「8.7g」以降の読み取りが可能。「8.7a」から「8.7f」もデータは取得されていたものと考えられる)、2008年当時には「結果のポイント」ページで1953年以降のデータが反映されたグラフがあり、それによると1953-1958年は20%、1973年以降30%強に上昇し、1993年には40%・1998年には上記グラフ上の57%にまで急上昇している。

↑ 政治をめぐる意識の変化(「結果のポイント」2008年当時の解説ページから取得)
↑ 政治をめぐる意識の変化(「結果のポイント」2008年当時の解説ページから取得)

この動きは政党区分での政治への無関心度の高まりを見せているが、直近の2013年ではやや低下する状況が確認出来ている。また、その動きと連動する形で漸減を続けていた「何をおいても投票する」比率だが、1988年の34%を底値に、それ以降は40%内外の横ばいへと動きを変えつつある。選挙への無関心派や投票への忌避感の増加は前世紀末でストップがかかったようだ。

また「社会に不満がある時でも何もしない」率が減ると共に、「いくら良さそうに見える政治家でも、任せ切りは良くない。国民同士の論議が必要だ」「不満なら選挙で考慮する」意見が増加している。投票行動で政治を、社会を良い方向にかじ取りしようという流れが見えてくる。

もっとも直近の2013年においては、「何もしない」が増え、「任せきりは良くない」「不満なら選挙で考慮」がわずかながら減少している。動きは小さなものでぶれの可能性もあるが、いずれも政治への無関心を表す流れであることから、留意をする必要はある。

特に気になるのが、若年層の意向変化。衆議院総選挙の時の投票意向で見ると、世間一般に言われている「若年層の投票離れ」がひと目で分かるグラフとなっている。

↑ 衆議院総選挙時の投票意向(「何をおいても投票する」回答率)
↑ 衆議院総選挙時の投票意向(「何をおいても投票する」回答率)

若年層と呼び得る年齢層、40代は少々厳しいが一応入れて20-40代について太い線・率の表記を行ったが、若い世代ほど投票意向が小さい。最も低いのは1998年-2003年で、20代は10%・30代は17-23%しか「衆議院総選挙の際には、何をおいても投票する」という回答者が居ない。70代以上の6割前後、60代の5割内外と比べれば大きな違いだ。

しかしながら今世紀に入ってから、40代は減少傾向が続くものの、20代から30代には反転の流れが確認できる。30代はさすがに2008年の伸び方が急だったこともあり直近の2013年には再び減少したものの、それでも2003年と比べれば5%ポイントの増加。40代との差はわずか4%ポイントに縮まっている。さらに20代にいたっては2008年比で9%ポイント増の21%にまで増加している。意識の変化以外に単なる底打ち、との見方もできるが、ともあれ若年層における投票意欲の増加の動きが見られるのには違いなく、今後の動向に注目したいところではある。



全般的な傾向として、昨今では特に若年層において、社会情勢や自らが置かれた境遇を反映する形で、政治・投票行動に対する興味関心が高まりを見せている。一方で一部の「有識者」からは「若年層は自分ら有識者(が属する高齢層世代)を支える重い負担があり、人口比(【若年層の意見力は団塊世代の三分の一!? 投票者ピラミッドをグラフ化してみる】)や財力のこともあるので、いくら喘いでも無駄、諦めるが無難」的な発言や行動がなされ、若年層の意思を打ち砕こうとする動きがある。

要は自分たちがこれまで散々ひっくり返してきた、そして今座っている座布団を再び「他人によって」ひっくり返されるのが、たまらなく嫌ということらしい。あるいは自分達の所業を忘れているのかもしれない。

他方、その言葉を受けて、あるいは周辺環境の空気を読んで大人しくしている若者世代を見るにつけ、「生気が無い」と非難の声を浴びせる。彼らは若者たちに何をしてほしいと望んでいるのだろうか。単に隷属する存在であることを希望している、第三者的な視点では、そのようにしか見えない。

彼らの有象無象の圧力に対し、若年層に出来ることは、まず投票に行くこと。そして「正しい」人に票を投じること。一人ひとりが実践すれば、その動きを明確にすれば、世の中は相当大きく動いていくに違いない。


■関連記事:
【若者の政治への関心度、日本は他国と比べて高い? 低い!?】
【今選挙棄権率、若者はシニアの3倍近く・安倍内閣「不」支持者は高い傾向】
【5割強は「ネット選挙運動解禁で若者の政治への関心度が高まる」、では自分自身は?】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー