世帯主に万一のことがあった場合の必要額

2011/01/17 19:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
家族先日掲載した【世帯単位での生命保険加入率推移】にて資料元として使った【生命保険に関する全国実態調査】において、保険に関する興味深いデータを複数確認することができた。今回はその中から、世帯主に万一のことがあった場合に、残された家族のために必要と考える生活資金の推移をチェックすることにした。生命保険加入時に考察すべき項目の一つとして、気になる人も多いだろう。


スポンサードリンク


用いる調査報告書は最新の「平成21年度・生命保険に関する全国実態調査」。調査は2009年4月1日から5月19日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた、世帯員2人以上の一般世帯に対して留置調査(訪問留置・訪問回収法)で行われたもので、有効回答数は4054。

生命保険は基本的に、対象となる人物(被保険者)本人が受け取ることは出来ない。よって本人に万が一のことがあった場合、それに関わる人たちの生活を支えるのが主目的となる。例えば世帯主である夫が亡くなった場合、その世帯では働き頭が失われるわけで、今後の生活が極めて困難になってしまう。その際にその夫が生命保険に入っていて保険金がおりれば、資金面での苦渋は避けられる次第だ(無論後述するが、義務を守っていれば公的な補助は得られる)。夫の立場にすれば「自分に万一のことがあっても……」という安心を得ることができるし、妻や子供にしても同様のリスクに対する予防策になる(保険をかけても「万一」のリスクそのものが減るわけではない)。

それでは具体的に、世帯主の「万一」の事態の際に、残された家族のために必要と考える生活資金はいくらぐらいと想定しているだろうか。年ベースでの必要額と、必要年数について聞いた結果が次のグラフ。右の縦軸は最下層部分がゼロではないので注意してほしい。

↑ 世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える年間資金額と必要年数
↑ 世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える年間資金額と必要年数

実際には世帯主のその時点での年齢や世帯の生活水準により、かなり変動がある。例えば定年退職間近な世帯主なら、年間必要額はさほど多くない(子供はすでに家を離れているはずである)し、必要年数もさほど多くない(いずれにせよ近いうちに定年退職を迎えるため勤労年数は残り少ない)。あくまでも全体的な平均値として見てほしいが、大体16-17年、350-400万円/年を想定していることになる。もっとも年間資金額は年々減少しており、検討の際に比較されたであろう「実収入」が減少していることを容易に想像させる。

これを基に「世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える総額」を算出したのがこちら。

↑ 世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える資金総額(万円)
↑ 世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える資金総額(万円)

今世紀に入ってからは確実に減少している。平均年齢そのものが漸増しているので、その分の減少は仕方がないかもしれないが、この減り方はそれ以上といえる。1997年から2009年に至る減額率は18.4%にも達している。

もちろんこれは「生活資金総額」であり、「生命保険加入時に考慮しなければならない、万一の時の保険金」では無い。義務を守って各種税金や厚生年金・国民年金などを支払っていれば、世帯主の夫が亡くなった場合にはかなりの額が公的に保障されることになる(例えば遺族厚生年金など)。このあたりは専門サイトで確認するなり、身近な専門家(FPなど)に相談して知識として身につけておくのが良いだろう。


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS