「若者の車離れ」都心部で深刻化

2011/01/16 07:16

自動車ソニー損害保険は2011年1月14日、新成人のカーライフ意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、いわゆる「若者の車離れ」を自覚している新成人は3割強に達していることが分かった。地方居住者よりも都心部の方が自覚者率は多い。また、全般的な自動車への興味関心も都心部居住者の方が薄いなど、「複数要因から都心部の新成人の方が車離れを起こしている」状況が確認できる結果が出ている(【発表リリース】)。

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今調査は2010年12月22日から28日にかけて、新成人(1990年4月2日-1991年4月1日生まれ)の男女500人ずつに対してインターネット経由で行われたもの。市・区における人口ランキングの上位(1位-8位)の北海道(札幌市)、東京都(23区)、神奈川県(横浜市)、愛知県(名古屋市)、京都府(京都市)、大阪府(大阪市)、兵庫県(神戸市)、福岡県(福岡市)を「都市部」とし、それ以外を「地方」と定義した。都市部回答者は221人・地方回答者は779人となっている。

【外より家、遠出より近所……変わる若年層のライフスタイル】【年代別の自動車保有数とその変化をグラフ化してみる】などで解説しているが、生活様式や経済状態から若年層の自動車保有・所有希望が減退傾向にある。今調査では正にその若年層への自動車に関連する設問で、非常に興味深い。

最近はむしろ陳腐な、あるいは責任転嫁的な表現の代名詞として用いられるようになった「若者の-離れ」。その代表格ともいえる「若者の(自動)車離れ」という表現について、自覚症状があるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。全体では31.9%が「ある」、39.3%が「ない」となり、やや「ない」派が多い結果となった。

↑ 「若者の車離れ」とは自分自身のことである
↑ 「若者の車離れ」とは自分自身のことである

これを居住地域別にみると、都心部居住者の方が強く「若者の車離れ」を自認していることが分かる。特に強く肯定する・否定する人の割合がそれぞれ2倍前後の差異を見せており、【自分だけの自動車を持っている新成人、都心部は地方の1/5】でも触れた「実生活上での自動車の必要度の違い」が現れた結果ともいえる。地方の多くの人にとって、自動車は生活を支える必須ツールであり、「-離れ」の対象には成りえないということだ。

居住地域別の差異は「自動車への興味」「若者向けの自動車を創ってほしいという要望」にも現れている。

↑ 車に興味がある
↑ 車に興味がある

↑ メーカにもっと若者向けの車を創ってほしい
↑ メーカにもっと若者向けの車を創ってほしい

自動車への興味関心を持つ人は全体で約5割。地域差はさほど出ていないが、それでもやはり地方が高い。メーカーに対する若年層向けの車種ニーズもまたしかりで、都心部は冷めている様子が分かる。

しかしもっとも大きな違いを見せているのは、次の項目。自動車保有の経済的余裕について。

↑ 車を所有する経済的な余裕が無い
↑ 車を所有する経済的な余裕が無い

成人式を迎えたばかりの新成人に、収入の余裕を求めるのも無理がある。しかし一括現金支払いでは無く、将来的な経済上の願望(例えば高給が望める会社に入社できそう)さえあれば、分割払いでも購入はできる。それらを考慮した上でも、全体で7割が「経済的余裕が無いので自動車は持てない」と回答している。中身を精査すると、窮乏感を覚える人は都心部に多く、都心部と地方では9.4ポイントもの差が出ている。

これは上記にあるように「自動車の必然性」が地方ほど高いので、「金銭面」と天秤にかける際に地方の方がある程度我慢できること、そして何よりも駐車場など一部維持費が都心部ほど高くつくのが要因。

自動車への興味関心が薄く、経済的余裕も無い。となれば、都市部ほど自動車離れを起こす若年層が多くても当然の話ともいえよう。逆にいえば都心部と地方とでは、若年層が望む車種には違いが生じることになる。残念ながら今調査では居住地域別の調査結果がなく考察は出来ないが、恐らくはライフスタイルやお財布事情を反映した違いが出てくるに違いない。

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