全労済の契約状況推移

2011/01/13 12:00

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グラフ化先日【世帯単位での生命保険加入率推移】で「生命保険の加入率が低下してる」話を取り上げた。その際に「最新データのみ全労済が反映されたものも併記した」「1990年後半以降生命保険の加入率が漸減したのは(その当時はデータ上に含まれていない)全労済が急伸した、という考えは想定しにくい」と言及した。しかしやはり「想定しにくい」だけでは気になるので、念のためにその裏付けをすべく、全労済の経営状況推移を調べることにした。


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全労済とは「全国労働者共済生活協同組合連合会」の略で、共済事業を行う協同組合。労働組合の共済活動の全国組織化したものが発端だが、地域社会へのサポートの過程で多種多彩な共済商品を展開するようになった。

さてその全労済だが、例えば2009年度は2009年6月-2010年5月末までで構成されるため、現状では2009年度分までの経営状況しか公開されていない。【経営発展の状況】では過去5年分のデータが収録されており、さらにガイドブックでもっとも古い【2006年分】のデータの中に収録されていた1998年度-2005年度分までのものを反映されたのが次のグラフ。加入世帯数の記述は無いので、契約件数と契約高の推移を用いることにした。

↑ 全労済の契約状況推移
↑ 全労済の契約状況推移

2003年度から2004年度において契約数は漸増、契約高が大幅増を見せているが、これは新長期共済の開発、こくみん共済制度の大幅改定、5単産・再共済連との自動車共済事業統合、森林労連共済の事業統合など大規模な組織・商品構成の変更が行われたため。

また、このグラフには生保以外に火災・交通など各種別保険も含まれているので、一概にこの動向イコール全労済の生保動向とは言い切れない。とはいえ、それでも2007年以降漸減していることが確認できる。さらに念のためダイレクトに該当する「こくみん共済」「団体生命共済」の直近データなどを確認したが、この一、二年では横ばい-漸減傾向であるのが見て取れる。



人口は漸減しているが保険契約数に大きな影響を及ぼすほどのものではない。【ますます進む核家族化…種類別世帯数の推移(2009年分反映版)】にもあるように世帯構成員数が減少していることもあり、世帯数そのものは漸増している。また、高齢化も確実に進んでいる。

このうち「世帯構成員数の減少」「高齢化」が、生命保険の加入率を低下せしめていると考えても問題はあるまい。前者は「一人身の場合、自分が死亡した後のことを考える相手がいないので必要ない(実は死に至らない重篤の場合にも生命保険が適用されるのは多々あるため、不必要では無いのだが)」、後者は「そもそも論として加入しにくい、加入できたとしても保険料が高額で払いきれない」という事由による。

保険に加入する・しないの判断は、最終的には個人次第。とはいえ保険が必要になってから後悔するのでは遅すぎる。自分が置かれている立場をよく見直して、適切な備えをしておくことで、心のあんねいも得られることも間違いは無い。


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