【更新】1年間で103万部・2.05%の減少へ……新聞の発行部数動向(2011年発表)

2011/01/12 12:00

先日、新聞の発行部数・販売部数に関する記事で、一部のデータが更新されているとの話をいただいた。【新聞社従業員の部門別推移をグラフ化してみる】をはじめとする【社団法人 日本新聞協会】内の収録値のことと思われるので調べたところ、新聞広告費や広告量、部門別従業員数に変わりはなかったものの、【新聞の発行部数と世帯数の推移】が2010年分を反映した最新データに差し替えられていた。毎年10月分のを反映するので、この項目だけは更新されていたようだ。そこで今回は最新データ版、つまり2010年分を反映したものを記事化することにした。

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まずは全体的な値。【社団法人 日本新聞協会】内の【「新聞広告データアーカイブ」】ではなく、【新聞の発行部数と世帯数の推移】から必要なデータを取得する。現時点では1999年-2010年までの値が取得可能。ただしこちらには以前からの取得値もあるので、グラフは1997年以降のものが生成できる。

最初に作るのは新聞そのものの発行部数の推移グラフ。ちなみに朝刊と夕刊を共に取っている家庭においてはそれを「1部」として換算している。

新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)
新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)

割合にしてはさほど大きなものではないが、昨年2009年からさらに部数を減らしているのが確認できる。具体的には減少部数は(1年間で)103.10万部・2.05%ほど。昨年がマイナス2.21%だったから、多少は状況が改善されたことになる。とはいえ、減少していることに違いは無い。

続いて減少率著しいスポーツ紙のみでグラフを再構築。

スポーツ紙発行部数(万部)
スポーツ紙発行部数(万部)

サボテンでじりじりと身を削られていくような感がある。ちなみにこの1年の減少部数は27.8万部・5.92%ほど。前年がマイナス4.76%だったので状況は悪化。

次に各年の住民基本台帳を元に世帯数を割り出し、新聞発行部数と比して「1世帯あたりの新聞部数」を算出したグラフを生成する。

1世帯当たり部数
1世帯当たり部数

以前の記事で「1世帯当たりの部数が1部を割り込んでしまった」という危機的状況について言及したが、回復する兆しは無く、むしろ加速化する感がある。これは部数の減少と共に、【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】などで解説しているように、核家族化・世帯構造の変化によって、世帯数そのものが増加しているのも少なからぬ要因。その上【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(拡大版)…(下)購入世帯率や購入頻度の移り変わり】でも言及したが、購入世帯数そのものが減っている。結果として「1世帯当たりの部数」が減って当然というもの。

世帯の型別主世帯数(×1000世帯)(再録)
世帯の型別主世帯数(×1000世帯)(再録)

次はデータが取得できる範囲での発行部数の前年比を、全体、および一般紙とスポーツ紙にわけてグラフ化しておく。

新聞発行部数前年比
新聞発行部数前年比(全体)

新聞発行部数前年比
新聞発行部数前年比(一般紙とスポーツ紙それぞれ)

スポーツ紙は押し並べて前年比マイナス数%を継続しており、不調ぶりがここ数年の傾向では無かったことが分かる。特に今年は下げ幅が直近十年余りの中で最大のものとなってしまった。

一方で一般紙は2004年位までは前年比マイナスプラスを行き来していたが、2005年以降はマイナスのまま推移している。奇しくもこの「2005年」は【民放連曰く「諸君らが愛してくれたテレビの広告費は減った。何故だ!?」】で触れた、テレビCMの単価低迷傾向が始まった時期と一致する。インターネットの影響が少なからず及んでいることは否定できない。そして2010年はこれまでに無かったレベルの下げ幅だった2009年と比べて、やや改善の兆しが見えた数字となっている(ただしマイナスには違いない)。発行部数は圧倒的に一般紙の方が多いため、新聞全体の発行部数においても前年と比べて下げ幅がやや縮小した主要因にもなっている。



前回の記事同様、ここで「下編」に続き、主要全国紙の朝刊販売数に関する分析に入りたいところだが、【読売新聞社の広告ガイドページ】をはじめとしたデータ取得元を参照したものの、今のところ更新された気配は無い。別ページの【自社月次レポートページ】に「2010年12月14日発行の「新聞発行社レポート」(日本ABC協会)から」とあり、日本ABC協会の【予定一覧】に「1月中旬新聞・月別レポート(2010年12月)発行」とあるので、恐らくはその後、2月中旬以降に2010年後半期におけるデータが更新されるはず。逐次チェックを入れて、もし新しいデータが反映されたら、その時に再度お知らせすることにしよう。

ともあれ、新聞販売部数が全体的に減少を続けていることには違いない。【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(拡大版)…(下)購入世帯率や購入頻度の移り変わり】で解説したように、新聞そのものを取らなくなった世帯が増えているのだから、仕方ないといえばそれまでの話。また、スポーツ紙の急激な減少は、2002年の際の同様の減少の一因である「不景気によるもの」はもちろんだが(ただしそれでは2008年の減少率が穏やかだった説明がつかない)、それ以上に内容の劣化(特に昨今は一部メジャー紙で妄想まがいのコピーが躍るのを良く見かける。当然いつも大量に売れ残っている)、さらには携帯電話など「ちょっとした時間の暇つぶし」に使えるメディアが増えたことなどが大きな要因といえる。そしてその流れは加速化していると評せざるを得ない。

※1月13日 タイトル修正しました。ご指摘ありがとうございました

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