世帯単位での生命保険加入率推移をグラフ化してみる

2011/01/11 12:00

保険イメージ先に【生命保険加入世帯は8割・10年余りで10ポイント強減少】で世帯単位での生命保険加入率において、最近では減少傾向にあることについて触れた。これに関してもう少し詳しいデータを探していたところ、専門機関の「生命保険文化センター」における調査報告書【生命保険に関する全国実態調査】を見つけることができた。3年おきに一般家庭の生命保険など各種保険の加入状況を継続的に調査しているもので、そこには二人以上から構成される世帯単位での各種保険に関するデータを取得することができる。今回はそこから、生命保険の世帯加入率推移をグラフ化してみることにした。

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用いる調査報告書は最新の「平成21年度・生命保険に関する全国実態調査」。調査は2009年4月1日から5月19日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた、世帯員2人以上の一般世帯に対して留置調査(訪問留置・訪問回収法)で行われたもので、有効回答数は4054。

今調査では1965年から世帯全体、1970年から世帯主、1979年からは世帯主の配偶者(世帯主が夫ならその妻)の生命保険(個人年金保険含む)の加入状況が調べられている。その推移を示したのが次のグラフ。

↑ 生命保険(個人年金保険含む)加入状況
↑ 生命保険(個人年金保険含む)加入状況

最新の数字にカッコで別の値が示されているが、これは最新計測時から集計に生協・全労済を追加し(それまでは民保・かんぽ生命、簡保、JAを対象にしていた)、その計測方法によるもの。グラフの構成は従来の集計ベースで行っている。余談だが二つの値の差が「各単位で生協・全労済のみに加入している」比率になる。

それはともかく。1994年以降民保・かんぽ生命、簡保、JAの加入者だけが減り、全労済や生協だけが増加したとは考えにくい。となれば、1997年以降の加入率の低下は「他の生保の加入者が減り、全労済・生協に移行した」のでは無く、全体的な生保加入率が低下していると見て問題は無い。なお今調査では「世帯員2人以上の一般世帯」を対象にしているため、先の記事で推論の一つに挙げた「一人身の世帯率が増加したので生命保険加入率が減少した」は考慮しなくても良い。

それではなぜ減少傾向にあるのか。先の記事でも推測したように、経済的要因によるところが大きいと思われる。それを裏付けるのが次の調査項目。

↑ 生命保険(個人年金保険含む)の非加入理由(複数回答)(上位五位)(非加入者限定)
↑ 生命保険(個人年金保険含む)の非加入理由(複数回答)(上位五位)(非加入者限定)

生協・全労済絡みがあるため単純比較はできないが、それでも全般的に経済的余裕が少なくなり、優先順位が下がった、あるいは公的付与に期待する向きが増加しいてるのが分かる。さらに保険の仕組みを考えた場合に、相対的に加入率が低い(リスクのかかる期間が短い、加入時の条件が厳しくなる、保険料金が上がるなど、加入ハードルが高くなる)高齢者世帯が全体に占める割合が増加したのも、調査母体全体の加入率低下を招く一因といえよう。



高齢化が原因な部分は仕方ないにしても、経済上の事由で保険加入率が下がるのは、当事者には「諸刃の剣」といえる。他の保険関連の商品同様、保険が適用される事態に陥った際の困難さは、「経済的に保険加入を敬遠している人ほど厳しくなる」のが容易に想像できるからだ。「もしも」「万が一」の際の不安をより軽減できる、日頃の安心感を購入するのが保険と考えれば、さほど負担となるものでもないと個人的には考えるのだが、いかがだろうか。

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