ニュースメディアはテレビ・新聞からインターネットへ…アメリカの10年来動向をグラフ化してみる

2011/01/06 12:10

新聞アメリカの調査機関PewResearchCenterは2011年1月4日、アメリカ国内で毎年実施している、国内外のニュースを取得するための主要メディアに関する調査の最新報告【Internet Gains on Television as Public's Main News Source】を発表した。それによればニュースの「主要な」取得元として、新聞だけでなくテレビもまた、利用・依存率が漸減傾向にあることが分かった。特に若年層では最新データにおいては、インターネットがテレビを追い抜く結果も見い出すことができる(レポートそのものは【Internet Gains on Television as Public's Main News Source】)。

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今調査は2010年12月1日から5日にかけて、無作為抽出された18歳以上のアメリカ在住の1500人に対して電話(うち1000人は固定電話・500人は携帯電話)経由で英語での聞きとりにて行われたもの。年齢階層・性別・学歴などは国勢調査の結果に基づいて調整が行われている。また、設問はシンプルで「アメリカ国内外のニュースを取得するために”主に”使っているメディアは何か。最大で2つまで選択する」というもの。

まずは全体の流れを示したのが次のグラフ。インターネットの2007年以降の飛躍と、新聞、そしてテレビの漸減が目に留まる。

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)

2008年の時点でインターネットは新聞を追い抜いているが、その後も上昇は続いており、この分ではグラフだけを見てもあと数年でテレビ・インターネットの双方がクロスしそうな勢いである。さらに昨今において、iPadをはじめとするタブレットパソコンや、スマートフォンなどで動画も含めたニュース配信が本格化しはじめていることを考えれば、この流れが加速化することは容易に想像できる。
(※1月6日15:30 「ラジオ」項目でデータの入力ミスがありグラフを修正しました。本文の大意には影響ありません。訂正すると共に謹んでお詫び申し上げます)

続いて主要年齢階層別のグラフ。やはり一番驚くのは若年層。他の世代に先行する形で、2010年においてインターネットがテレビを上回る数字が出ている。また、新聞の減退ぶりが他の世代より急なのも見て取れる。

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(18-29歳)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(18-29歳)

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(30-49歳)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(30-49歳)

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(50-64歳)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(50-64歳)

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(65歳以上)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(アメリカ)(65歳以上)

気力・財力の点で若年層をはるかに凌駕する中堅層・30-49歳層でも、インターネットは新聞を2006年の時点で追い抜き、特に2007年以降急速に浸透を深めている。テレビの下落ぶりとあわせると、この世代でもあと2、3年もすればテレビ・インターネットの逆転現象が起きるのは容易に想像が可能だ。

一方50代以降でも新聞・テレビの減退やインターネットの上昇は確認できるものの、その動きは緩やか。2007年以降のメディアの大規模な変化の時期に至ると、それなりにインターネットへの傾注度も高まりを見せるが、その規模はそれより若い世代と比べてまだ大人しい(もっとも【米ソーシャルメディアの世代別利用率をグラフ化してみる】でも触れているように、ソーシャルメディアを中心にインターネットへの興味関心を高めている50-64歳層では、そろそろ新聞をインターネットが追い抜きそうである)。

今調査では年齢階層別以外に多種多様な属性の区分データも公開されている(経年データは残念ながら無い)。そのうち、各メディアが商業メディアとして成り立っていく上で重要と思われる2つの項目に焦点を当ててグラフを形成したのが次の図。

↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(属性別・一部)(アメリカ)
↑ どこから国内外のニュースを取得しているか(最大2つまで回答)(属性別・一部)(アメリカ)

各メディアにとっては上得意客となりそうな高学歴・高収入の人ほど、インターネットをニュースソースとして利用する傾向が強いことが確認できる。これは多分に【アメリカにおける年収別ネットアクセス機器の所有率をグラフ化してみる】にもあるように、年収とインターネットの普及率がほぼ相関関係にあることが大きく関わっているものと容易に想像が出来る(そして学歴と年収もまた相関関係にある)。



なお以前同じPewResearchCenterにおいて提示された別調査の発表資料では、「昨日接触したメディア」としてテレビが依然高い値を示しているという結果が出ている(【新聞が最下位へ・アメリカ人が利用する主要なニュースメディア推移】)。

↑ ニュースを取得するために昨日接触したメディアは?(複数回答)
↑ ニュースを取得するために昨日接触したメディアは?(複数回答)(再録)

ただしこれは「接触したメディアをいくつでも」であり、今回の調査は「主に」「二つまで」である点で大きく異なる。やはり同じくPewResearchCenterにおいて別調査の発表資料で提示された【ニュースは「テレビの前に正座して」から「何かのついでに」の時代へ】のデータと合わせて検証すると、「テレビは視聴され続けていることに違いは無いが、ながら・ついでの傾向が強まり、重要度は漸減しつつある」と考えるのが無難といえよう。

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