戦前の初婚年齢の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/01/02 14:41

人口の漸減状況や結婚観の移り変わり、男女の世帯内での立ち位置の変容、子供数の変化に伴い、結婚率や離婚率、初婚年齢の推移に注目が集まっている。今回は毎年定期更新をしている、それらの値を集約した記事【日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移をグラフ化してみる】の中でも最も注目を集め、また問い合わせも多い「初婚年齢の推移」の補完版として、戦前の動向を確認していくことにする。

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「日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移をグラフ化してみる」では厚生労働省の人口動態統計をベースに検証・精査を行っている。ところが現状では同統計の公開データでは戦後の部分しか確認ができない。そこで色々と調べたところ、以前「子ども・子育て白書(旧少子化社会白書)(平成22年版)」において、戦中戦後の混乱期である1944-1946年分を除く、1908年から2008年分の初婚年数を記した「7-5.平均初婚年齢の推移」なるデータが収録されており、その値を当方で保全しているのを確認できた(現在では同白書の該当年分は非公開扱いされており、改めて取得することは不可能)。

戦後の分は毎年更新しているので、戦前の分のみを精査した上でグラフ化したのが次の図。

↑ 平均初婚年齢(歳)(1908年-1943年)
↑ 平均初婚年齢(歳)(1908年-1943年)

あらためてグラフ化すると、きわめて興味深い動きを示しているのが分かる。1930年代前半まではほぼ横ばいで推移し、それ以降はじはじわと上昇を見せている。横ばいで推移している時期は、江戸時代までの慣習(適齢期になると自分の立ち位置に従った伝統などに基づき結婚することが常識とされていた)が残っていたからで、多くが「見合い婚」かその類似様式による婚姻(具体的には親同士の話し合いで結婚相手を決める「取り決め婚」と呼ばれるもの)。

そして経済・文化の発展や西洋化と共にこの慣習も薄れ、結果として初婚年齢も上昇を見せ始める。結婚周りの近代化……いやむしろ脱江戸時代化が確認できるのは、1930年中盤以降と見ても良いかもしれない。

良い機会でもあるので、この戦前の値と戦後の値をつなげ、1つのグラフとして生成する。つまりほぼ1世紀に渡る、初婚年数推移グラフである。戦前戦後の一時期は資料不足で欠けているのが残念だが(グラフ作成ツールの機能で連結させることも可能ではあるが、ここはあえてそのままにしておく)、戦争中は戦地におもむく人たちの「取り決め婚」「見合い婚」によって、戦後は平和を謳歌する人たちの解放感などで、平均初婚年齢は引き下げられたものと想定できる。

↑ 平均初婚年齢(歳)(1908年-2014年)
↑ 平均初婚年齢(歳)(1908年-2014年)

少々驚く事実ではあるが、実は現在の男性の初婚年齢は戦中のそれと大きな変わりは無い。もっともこれは多分に「出兵」との関連が想像できる。一方女性は1980年前半には戦前末期の水準を超え、さらに晩婚化が進む傾向にあるのが確認できる。

日本の平均初婚年齢現は時点ではすでに女性だけでなく男性においても、少なくとも記録に残っている限りでは、未踏の領域に突入することになる。果たしてどのような社会構造の変化が生じるのか。想像することは難しい。少なくとも女性の高齢出産傾向が進むことは容易に想像でき、事実その傾向が確認できるのだが……。


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