戦後から現在にかけての就職率の推移をグラフ化してみる

2011/01/07 12:00

先に【小学生や中学生の数の推移をグラフ化してみる】で示したように、【ランドセルや学習机、防犯用品など子供向け商品の市場規模をグラフ化してみる】など小学生向けの各種市場動向に絡んで、小学生や中学生などの数について調べを進めている。今回は高校生や大学生も含めた、学生の就職率について、中期的な範囲での推移をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


データ取得元は文部科学省発表の【学校基本調査】。ただしこちらのページは数年分のデータしか掲載されていないので、総務省の【e-Stat】から「学校基本調査」を探し、年次統計を選択。そこから各種必要なデータを選んで取得していけばよい。

まずは中学生と高校生。

↑ 中学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 中学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

↑ 高校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 高校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

1950年代後半まで中学卒業生でも就職率は4割を超えていた。その後、高等教育が急速に浸透し、就職率は急降下することになる。そして1980年頃には落ち着きを見せ、あとは漸減状態が今日まで続いている。

一方高校卒業の就職率は1960年代後半まで上昇を見せる。しかしその後は踊り場を経て漸減を続けている。2005年前後から一時再上昇の気配があるが、これは【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】で解説しているように、多分に非正社員による雇用の結果と推測される。

中卒から高卒へ、就職の主力が移って行った過程が分かるよう、中学・高校の就職率を重ねたのが次のグラフ。1960年代は中卒就職率が減少する分、高卒就職率が上昇しているのが分かる。

↑ 中学・高校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 中学・高校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

しかしこれも1970年前後までの話で、それ以降は大学への進学率の上昇もあり、高卒就職組は漸減していくことになる。

大学・高専組は?
続いては大学・短期大学・高等専門学校について。まず高等専門学校(高専)だが、データが1964年以降(女性は1967年以降)のものしかないので、やや不自然な形となっている。上にはみ出ているような感じがするが、決してそのような状態を意味しているのではない。

↑ 高等専門学校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 高等専門学校卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

極めて高い就職率を見せている高専卒業生だったが、1990年前後以降はその値も低下。この10年ほどは50-60%の低迷状態にある。また、男性よりも女性の方が就職率が高いのも特徴。

続いて短大。今回の一連のグラフで一番興味深い動きといえる。

↑ 短期大学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 短期大学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

1970年代中盤までは男性の方が女性よりも就職率が高い。ところが段々と女性が上昇・男性が減少し、1970年代中盤でクロス。それ以降は女性の方が高い就職率を見せるようになっている。

最後に大学卒業生。ただしこれは単に4年の教育課程を終えて卒業する学部課程の学生を指し、その上の大学院生は含まれていない。

↑ 大学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)
↑ 大学卒業生の就職率(%、各年3月、就職進学者含む)

短大を除けば他の学校は近年に至るに連れて就職率が減少する傾向があったが、大学に限ればそのような傾向は無い。男性はやや落ち込み気味だが、女性は60-80%の圏内に収まっている。また1990年中盤あたりから男性就職率が減少しているが、これと同時に大学院の修士課程の就職率が上昇しているのが確認できる。学生も企業も、高校よりも大学、大学よりも大学院という考え方なのだろうか。



今件は単に「就職率」としてあるが、本文中に触れたように前世紀終わり以降は非正規社員としての雇用が増加している。単純に就職率の上下が、安定雇用の度合いに直結しているとは限らないことに注意して見なければならない。それさえ注意をすれば、他の経済指標との組み合わせで色々な考察に使える材料となるに違いない。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー