小中学生の長期欠席者数をグラフ化してみる

2011/01/06 06:51

先に【小学生や中学生の数の推移をグラフ化してみる】で示したように、【ランドセルや学習机、防犯用品など子供向け商品の市場規模をグラフ化してみる】など小学生向けの各種市場動向に絡んで、小学生や中学生などの数について調べを進めている。今回はデータ取得元の一覧で目に留まった「理由別長期欠席児童生徒数」をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


データ取得のトリガーは「平成21年版青少年白書 学校教育の概況」が参照している、文部科学省発表の【学校基本調査】。ただしこちらのページは数年分のデータしか掲載されていないので、総務省の【e-Stat】から「学校基本調査」を探し、年次統計を選択。そこから各種必要なデータ「理由別長期欠席児童生徒数」を選んで取得していけばよい。

データには長期間欠席した児童数が記載されているが、その事由として「病気」「経済的理由」「不登校」「その他」と大別されている。また、1959年以降の数字が収録されているが、「長期欠席」の定義が1991年以降「通算30日以上欠席」に改められているため(それまでは50日以上)、連続性はない。そこで今回は1991年以降のものについて時系列的にデータを取得し、グラフ化を行う。

まずは最新のものとして収録されている2009年分について。

↑ 小中学生の長期欠席者数(2009年)
↑ 小中学生の長期欠席者数(2009年)

↑ 小中学生の長期欠席者数(2009年、全児童比)
↑ 小中学生の長期欠席者数(2009年、全児童比)

中学生の長期欠席者、特に不登校率が高いのが気になる。2.78%といえば、30人学級なら大体1人は不登校者がいる計算。小学生では比率としては少ないものの、絶対数となると2万人以上の不登校者が確認できる。

続いてこれを定義変更後の1991年以降について、その推移を折れ線グラフにしたのが次の図。

↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、小学生)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、小学生)

↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、中学生)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、中学生)

小学校は病気による長期欠席者が多かった傾向があったものの、2000年前後から低減。一方で不登校者に変わりは無く、直近では両者の順位が入れ替わっている。中学校も2000年前後から病気による長期欠席者は少しずつ減り、小学生とほぼ同じタイミングで不登校者は増加し、その後横ばい。ただし病気を事由とする者との差は大きく開いている。

念のため絶対数ではなく、各年の児童数全体に占める比率を算出してグラフ化したが、増減の傾向に変化は無かった。

↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、小学生)(小学校児童数に占める比率)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、小学生)(小学校児童数に占める比率)

↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、中学生)(中学校児童数に占める比率)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(30日以上欠席、中学生)(中学校児童数に占める比率)

2000年前後をピークとし、不登校数の増加に歯止めがかかっているのは幸いだが、それで良しとして良いわけではない。各方面による状況の精査と改善への模索が求められよう。



ここからは余談だが、旧定義(50日以上で長期欠席判定)によるデータも1998年までは計測されている。そこでそれをまとめたのが次のグラフ。上記のグラフと連続性は無いことに注意してほしい。

↑ 長期欠席児童生徒数推移(50日以上欠席、小学生)(小学校児童数に占める比率、-1998年)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(50日以上欠席、小学生)(小学校児童数に占める比率、-1998年)

↑ 長期欠席児童生徒数推移(50日以上欠席、中学生)(中学校児童数に占める比率、-1998年)
↑ 長期欠席児童生徒数推移(50日以上欠席、中学生)(中学校児童数に占める比率、-1998年)

医学の進歩や経済の発展により、病欠・経済的理由に起因する長期欠席は漸減している。1980年後半から病欠者が再び増加を見せている原因は不明だが、公害病・病気に対してセンシティブになったこと・子供の抵抗力の低下など、複数の要因が想定できる。

一方で気になるのが「不登校」率の上昇。本編記事と合わせると、1970年後半-1980年前半以降、急激かつ継続的な増加が確認できる。2000年前後まで続く不登校者の増加はこの時期に始まったと見て良い。そしてこちらも原因は不明……だが、ちょうどこのタイミングで、いわゆる「ゆとり教育」が始まったことが確認できる。「ゆとり教育」の段階的な進展時期と、勾配が急になる時期がほぼ一致するのは、果たして偶然だろうか。

あるいは単に、経済の発展と共に色々と考える余裕が出来、その悩み故によるものかもしれない。いずれにせよ、残念ながらこのデータだけでは確認をすることはかなわない。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー