若年層は新聞よりもネットでニュースを…米ニュース取得事情

2011/01/08 12:05

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ニュースアメリカの調査機関PewResearchCenterは2010年12月16日、アメリカにおけるインターネットの浸透状況や世代間の格差などを示した調査結果【Generations Online in 2010】を発表した。アメリカ国内でのインターネットの普及具合、世代間のギャップの状況などを検証できる貴重な資料といえる。今回はその中から、インターネットも含めた「ニュースの取得方法」について見ていくことにしよう。


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今調査は2010年4月29日から5月30日にかけて、RDD(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)方式で選ばれたアメリカ国内の番号番号に対する、電話によるアンケートでおこなれたもの。有効回答数は2252人で、直近のアメリカにおける国勢データを元に各種属性に対し、実際の人口比率に近い比率に調整を行っている(具体的区分は【アメリカの年齢区分の表記方法とネット人口構成比】を参考の事)。

日々変わりゆく社会情勢や株価動向、昨日の野球の結果、事件や事故の解説など、多種多様な情報を包括して「ニュース」と呼び、人々は新聞やテレビ、ラジオなど多彩な媒体を介してそれらを取得していく。アメリカでは先日、ニュース取得における新聞の立ち位置がラジオやテレビ、インターネットより下回るという調査結果が出たことで話題になったが(【新聞が最下位へ・アメリカ人が利用する主要なニュースメディア推移】)、その新聞のお株を奪っているのがインターネットによるオンラインニュースに他ならない。

今調査母体でインターネットを利用している人は全体で約8割。

↑ インターネットを利用するか(アメリカ、2010年5月)
↑ インターネットを利用するか(アメリカ、2010年5月)(再録)

その8割の人に、オンラインでニュースを読むか否かを聞いた結果が次のグラフ。インターネット利用者に限って聞いているにも関わらず、高齢層ほどニュースの取得率が低い。インターネットを利用しているとはいえ、個々のサービスへの参加意向もまた、若年層ほどの覇気はないように見える(あるいは紙媒体の新聞で満足・充足しているので、わざわざネットで見る必要は無いと考えている可能性もある)。

↑ オンラインでニュースを読む人(インターネット利用者に対して、年齢階層別)
↑ オンラインでニュースを読む人(インターネット利用者に対して、年齢階層別)

それでも中堅層以降においては、この2年間でオンラインニュース利用率が上昇している。利用できる端末の種類も増え、端末自身や回線も高速化して読みやすくなったこと、マルチメディアを多用して音楽や動画も含めてニュースを確認できるなど、ニュースの配信方法の進化が一因といえる。

他のメディアと合わせて変化を見よう

今調査は基本的にインターネット関連の項目について尋ねているが、ニュースの項目では珍しく、他の一般メディアについても尋ねている(インターネット経由では無く電話経由の調査なので、調査方法によるバイアスは無い)。

次のグラフはニュースを普段どの媒体から取得しているかについて、複数回答で聞いたものだが、圧倒的にテレビによるところが大きいのが分かる。

↑ 普段どこからニュースを取得しているか
↑ 普段どこからニュースを取得しているか

・テレビはほぼすべての年齢層でニュースソースとなっている。
・18-33歳では一番のニュースソースはテレビでは無くオンライン
・歳を重ねるほどテレビや新聞の利用度が高くなる
・全国紙より地方紙、全国ニュースより地方ニュースの方がニーズが高い。全国版はテレビも新聞も、74歳以上には若干敬遠される

特に若年層におけるニュースの取得元トップがテレビで無くオンラインなこと、全国紙はどの世代でもあまり読まれていないこと、地方も全国も含めテレビが圧倒的優位性を維持していることなどが確認できる。メディア周りの激動が続くアメリカにおいて、人々がどのような媒体を活用しているのかを知れる、貴重なデータといえよう。


■関連記事:
【新聞やネットなどの情報経費、一世帯では10年間で8000円/月減少】


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