動画視聴やソーシャルメディア利用…アメリカでのネット内サービス利用率をグラフ化してみる

2011/01/02 12:00

シニアパソコン利用アメリカの調査機関PewResearchCenterは2010年12月16日、アメリカにおけるインターネットの浸透状況や世代間の格差などを示した調査結果【Generations Online in 2010】を発表した。アメリカにおけるインターネットの普及具合、世代間のギャップの状況などを検証できる興味深い資料といえる。今回はその中から、「動画視聴」や「ソーシャルメディアの利用」など、インターネットにおける主要な行動の参加状況について見ていくことにしよう。

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今調査は2010年4月29日から5月30日にかけて、RDD(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)方式で選ばれた番号に対する、電話によるアンケートでおこなれたもの。有効回答数は2252人で、直近の国勢データを元に各種属性に対し、実際の人口比率に近い比率に調整を行っている(具体的区分は【アメリカの年齢区分の表記方法とネット人口構成比】を参考の事)。

以前【アメリカのインターネット普及率と使わない人の理由をグラフ化してみる】で解説したように、今調査母体におけるインターネット普及率は、全体では約8割という値が出ている。

↑ インターネットを利用するか(アメリカ、2010年5月)
↑ インターネットを利用するか(アメリカ、2010年5月)(再録)

それではそのインターネット利用者において、主要なネット内の行動はどれだけ行われているだろうか。6つの行動を例示し、それらを利用しているか否かを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ ネット関連で次の行動をするか(インターネット利用者に対する割合)(18歳以上全体)
↑ ネット関連で次の行動をするか(インターネット利用者に対する割合)(18歳以上全体)

日本で電子メールがチャットのごとく多用されているように、欧米ではインスタントメッセンジャーが多用されている。ただし最近は【インスタントメッセンジャーからソーシャルメディアへ…イギリスのインターネット利用時間の変化をグラフ化してみる】にもあるように、割かれる時間がソーシャルメディアなどにスライドしつつあるのも事実。それを反映してか、インスタントメッセンジャー利用率よりもソーシャルメディア利用率の方が高い結果が出ている。

そしてそれよりも利用率が高いのは「動画視聴」。エンタメという分野におけるテレビの立ち位置が変わらないことから、テレビを観る感覚で動画視聴をしているのだろう。

これを年齢階層別で観たのが次のグラフ。「オンラインゲームで遊ぶ」の大部分と、「ブログを読む」の12-17歳世代の部分は2006年のデータから抽出したものなので、現在はもう少し上下に動いているかもしれない(と元資料にもある)。

↑ ネット関連で次の行動をするか(インターネット利用者に対する割合)(12-17歳は調査母体が異なる)
↑ ネット関連で次の行動をするか(インターネット利用者に対する割合)(12-17歳は調査母体が異なる)

全般的に若年層ほど利用率が高く、高齢者になるほど利用率が低くなるのは、デジタル系機器の利用率に共通する傾向。これは「インターネット利用者における割合」だから、インターネットそのものに興味が有る無いとは別個の話であることに注意してほしい。

個々の動きを見ると、

・動画視聴やソーシャルメディアの利用は18-33歳の層が一番高い
・インスタントメッセンジャーやオンラインゲームは12-17歳の伸びが目立つ。ブログ購読もまたしかり
・ブログ購読の年齢差異はさほど大きくない。一方でインスタントメッセンジャーの差異は大きい
・オンラインゲームは40代後半以降になると、利用率の下落はゆるやかになる
・若年層と比べれば低いものの、65-73歳でも4割強が動画を視聴し、3割強がソーシャルメディアを使っている。74歳以上でもそれぞれ20%・16%

などの動向が見て取れる。特に高齢者の利用率は、インターネット利用者であることを前提として見たとしても、アグレッシブさを感じられる。

【アメリカのインターネットの利用性向、ソーシャルメディアは40-60代で急増】などでも触れているように、40代後半から60代前半の世代において、ソーシャルメディアの利用率は急激な増加率を見せている。元々利用率が低かったのも一因だが、今グラフではそれぞれ50%・43%とほぼ二人に一人の割合。今後さらに成長を見せれば、若年層の利用率にさらに肉薄することは間違いない。

インターネット利用者内ではなく、全体としては?

やや蛇足ではあるが、直上のグラフと最初のグラフを掛け合わせることで、インターネット利用者内の各行動率ではなく、「各年齢層全体における、利用率・行動率」が算出できる。公開されている数字が整数値までのため、やや精度が甘いが、大体の状況はつかみとれる。

↑ ネット関連で次の行動をするか(各年齢階層全体に対する割合・概算値)(12-17歳は調査母体が異なる)
↑ ネット関連で次の行動をするか(各年齢階層全体に対する割合・概算値)(12-17歳は調査母体が異なる)

元々インターネットの利用率は若年層ほど高い傾向にある。そして各ネット内の行動も若年層の方が利用率は高い。その二つを掛け合わせたのだから、世代間のギャップが大きくなるのは当然の話。案の定、青系統と赤系統の棒グラフの長さの差異が、インターネット利用者内でのグラフと比べて大きなものとなってしまっている。例えばソーシャルメディアの場合、18-33歳は全体の8割近くが利用しているが、65-73歳では20%しかいない(日本の実態と比べれば2割でも大した値だが)。

日本の事例【電子書籍に興味深々・50-60代がパソコンやケータイでやりたいことは?】や先の「アメリカのインターネットの利用性向、ソーシャルメディアは40-60代で急増」などを見る限り、高齢者は若年層以上に既存の趣味趣向と関連性の強いものでないと、興味を示さない傾向がある。その観点で考えれば、動画は今後 高齢者にも有望なコンテンツとなりうる。またソーシャルメディアも「色々なことができる」「利用ハードルはあまり高くない(注意事項は山ほどあるが)」などから、今後高齢者にも深く浸透していくに違いない。

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