「歯は口ほどに物を言う」広告

2011/01/01 12:10

「なにこれ?」日常生活に溶け込んだごく普通の情景に、似たような仕組みを持つ場面を組み込むことで、効果的な演出をもたらすプロモーションは数多く存在する。それを見かけた人は「そういえば、似てるよね」と納得し、日常の中の非日常な情景に強い印象を抱くようになる。例えば吊皮をバイクのグリップやネクタイに例えた【バーベル片手で持ち上げる!? シビレるつり革・手すり広告たち】が好例だ。今回紹介するのもそのパターンの一つで、普段何気なく使っている公共機関の道具が、「あ、これは!」と驚き、「なるほど」と納得させられてしまうドイツの保険会社の広告である(I Believe in Advertising)。

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↑ 切符のパンチャー部分が男性の歯。「かむぜぇ-超かむぜぇ-」
↑ 切符のパンチャー部分が男性の歯。「かむぜぇ-超かむぜぇ-」

↑ 券売機で買った切符をパンチャーで「使用済み」に
↑ 券売機で買った切符をパンチャーで「使用済み」に

これは国際的な保険会社アリアンツ(Allianz)がドイツで展開した、歯科治療に関する保険のプロモーション。列車に乗るには料金分の切符を自動券売機で購入したあと、使用済みであることを示す穴を切符に開けるため、専用のパンチャーに通す必要がある(日本の場合はほとんどが自動改札で、改札入口に切符を入れ、取り出し口で取った時には穴が開いている)。

そのパンチャーの表面部分に人の顔のプリントシールを貼りつけ、ちょうど切符が差しこまれる部分が歯の上下でかみ合う部分にしている。そしてその下には「もうかまずにはいられない……アリアンツの低額歯科治療保険」とのメッセージ。

このパンチャーを使った人はまず最初にその見た目に驚く。そして切符を挿入口に差し込むことで、まるでこの男性が自分の歯で切符にかみ跡をつけているかのように見えるわけだ。利用者は「ああ、これは強い歯のかみ具合を示しているのだな」「休む暇も無く切符をかみ続けて、歯は大丈夫なのかな」などなど、この男性の歯の具合について色々な思いをはせるようになる。

↑ 「なんだこれ面白いな」「歯、大丈夫なのかしら」見る人によって感想はさまざま
↑ 「なんだこれ面白いな」「歯、大丈夫なのかしら」見る人によって感想はさまざま

「丈夫な歯だな」と思った人は「アリアンツの歯の保険に入っているから、いつも万全な歯でかみ続けられるんだな」と連想できる。逆に「歯を酷使して大丈夫かな」と思う人は「アリアンツの保険に入っているから、万一歯を欠いても安心して治療を受けられるネ」と胸をなでおろす。いずれにしても、パンチャーの造型の面白さと共に、アリアンツの歯科治療保険の大切さ、重要さを認識するわけだ。

日本の自動改札口では、上部プレート部分に新商品の宣伝シールが貼られているのを見かけることはあるが、今件のように挿入口の情景や仕組みを上手く使ったものに遭遇した経験は無い。マッチする広告対象が無い、あったとしても「混乱する」などのクレームリスクが想定されるので、躊躇してしまうのだろう。

それにしても「切符へのパンチング」と「歯でかむ」動作をつなげて、それを歯科治療の保険のプロモーションにしてしまうとは。返す返すもよくぞ考えたものである。

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