【更新】iPadの電子書籍と広告の関係

2010/12/23 12:00

iPad日本には半ば「電子書籍リーダー」という立ち位置で展開しているタブレットパソコン(PC)のiPad。アンドロイドOSを搭載したタブレットPCも次々に展開され、iPad用のソフトも多種多様なものが登場して色々な場面で使われるようになり、相対的に「電子書籍リーダーとしてのiPad」というイメージは薄れつつある。しかしその一方で【絶版漫画の無料公開場「Jコミ」、「ネギま!」の赤松健先生らが開設へ】などにもあるように、(iPad向けも含め)広告モデルを採用した電子書籍の展開が思考錯誤の形で続々と行われ、その効果や読者の反応には多くの人の興味関心が寄せられている。先日【eMarketer】で公開されたレポートは、その一端を知ることが出来る興味深い内容のもの。今回はそれをかいつまんで紹介することにしよう。

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公開されていたのは広告調査会社のUM社とTime Inc.社によって2010年11月20日にeMarketer社に提示された調査報告「What Consumers Really Think:Consumer Response to Advertising in iPad Magazines」のごく一部のデータ。さまざまな調査用機器を使って科学的に読者の利用動向調査を行うEmSenseに[その調査結果の一部がある(PDF)]が、iPad利用者の視線の動きなどを詳細に研究した結果のようだ。

eMarketerで公開されていた、ごく一部のデータによると、iPad所有者のうち(恐らくは試供版やデジタル立ち読み版などで)読んだ電子書籍について、それなりに購入したいと考えたことがある人は9割強に達しているとの話である。

↑ iPad所有者が電子書籍を購入する事に興味があるか否か
↑ iPad所有者が電子書籍を購入する事に興味があるか否か

本文の解説によれば、その9割のほとんどの人が(自分が気に入って買った・買いそうになった電子書籍について)友達にも購入を勧めるとのこと。

興味深いのはむしろ次、電子書籍上の広告に対する反応について。どのような要素のある広告に興味を抱くかについて聞いたところ、インタラクティブ性のあるものには82%の人が肯定的な意見を述べている。また「写真や明るいビジュアルを展開している広告」には86%が注意を払うとのこと。

さらに具体的な要項について聞いたのが次のグラフだが、動画やインタラクティブ性のある広告に対する注視が非常に強いことが分かる(動画広告の視聴時間は平均で17.8秒ほどと記述されている)。

↑ iPad所有者が興味を持つ、電子書籍内で展開される広告のタイプ
↑ iPad所有者が興味を持つ、電子書籍内で展開される広告のタイプ

iPadこれらの広告の表現方法の多くは、いわゆる紙媒体では到底不可能なもので、あるいは従来型のオンライン雑誌ですら難しいものの類。「物珍しさ」という点で高い関心度を集めているものと考えられる。また元々iPadユーザーは広告に対して寛容的であることが【ニールセンの調査結果(eMarketerによる分析、英語)】で明らかにされている。それと共に、ほとんどが動きの無い静止的なビジュアルの電子書籍だからこそ、動きのある動画に目が行ってしまうのもあるのだろう。

日本ではまずiPadに代表される、タブレット型PCなどをはじめとした電子書籍リーダー(となりうる端末)の普及が第一の課題となる。そして電子書籍の読者と広告について、同じような傾向が見られるか否かは判断が付きにくい。読書に対する文化的な違いや、浸透プロセスの相違があるからだ。しかし今件の内容が、参考以上のものであることは間違いあるまい。

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