電車内での迷惑行為、「音」そして「自己中心」

2010/12/19 19:30

電車ラッシュ鉄軌道事業者で構成される日本民営鉄道協会は2010年12月16日、駅と電車内のマナーアンケートの結果を発表した。それによると調査母体においては、電車の利用者がもっとも迷惑と感じる行為は「騒々しい会話・はしゃぎまわりなど」であることが分かった。次いで「携帯電話の着信音や通話」「座席の座り方」などが続いている(【発表リリース】)。

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今調査は2010年10月1日から11月30日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2527人。男女比・年齢階層比などは非公開。同様の調査は毎年行われており、その結果の一部は【電車内の迷惑行為、トップは「座席の座り方」】などで知ることができる

電車内で「迷惑」「気分が悪くなる」など不快に感じる行為には多種多様なものがある。それらの中で自分が特に不快だと思うものを3つまでの選択式で答えてもらったのが次のグラフ。場をわきまえないはしゃぎまわりや騒々しい会話がトップについている。

↑ 電車利用客が迷惑と感じる行為(複数回答、最大3つまで)
↑ 電車利用客が迷惑と感じる行為(複数回答、最大3つまで)

資料でも指摘されているが、トップはもちろんのこと、昨年の第4位から第2位に浮上した「携帯電話の着信音や通話」、第4位の「ヘッドホンからの音漏れ」など、音に関する迷惑行為が上位を占めているのが分かる。これら「音の迷惑行為」は、例えば「座席の座り方」「乗降時のマナー」「ゴミ・空き缶等の放置」のように直接物理的な邪魔やダメージを与えるわけではないが、それゆえに過失側は自己認識をしていない場合が多い。迷惑を受ける側が余計に腹立たしくなるのも理解はできる。

やや気になるのは「混雑車両内での読書」「車内での化粧」「電車の床に座る」など、普段から迷惑行為と指摘されることが多い事象について、ランキングが比較的下位であること。諦めてしまったのか、それとも上位陣のと比べれば我慢ができる範囲と判断したのかまでは読みとれないが、気分を害する行為には違いない。

乗り降りする時、座り方、荷物の持ち方……
元資料ではいくつか具体的に細分化した上での、電車内での迷惑行為についても触れている。いくつか例を挙げてグラフ化していこう。まずは乗り降りする時。

↑ 「乗降時のマナー」のうち最も迷惑に感じるのは?
↑ 「乗降時のマナー」のうち最も迷惑に感じるのは?

トップは「降りる人を待たずに乗りこむ」。電車が止まる直前に窓越しに車内を確認し、開いている席を見つけてそれを確保するため、我先にと降車客を押しのけて車内に入る人の姿がありありと目に浮かぶ。第2位も第3位も性質的には似たようなもので、「自分のポジションの維持・確保」を第一義的に考えた人の行動と見ることができる。

続いて座り方。

↑ 「座席の座り方」のうちもっとも迷惑に感じるのは?
↑ 「座席の座り方」のうちもっとも迷惑に感じるのは?

回答率が高いのは「座席の有効活用をしない」類のもの。規則正しく座ればもう一人、二人は座れるのに、「お行儀」が悪い人がいるせいで秩序が乱れ、無駄なスペースが生じ、座れるはずの人も座れなくなる。最近では長座席でも一人分のスペース毎に区分がしてあるものや、2-3人分ずつ仕切りが用意してある座席も見受けられる。これならトラブルは生じにくい。「便利だな」「良い工夫だな」と思うと同時に、やや物悲しささを覚えるのは当方だけだろうか。

最後に荷物周り。

↑ 「荷物の持ち方・置き方」のうち、最も迷惑に感じるのは?
↑ 「荷物の持ち方・置き方」のうち、最も迷惑に感じるのは?

断トツで多いのは「背中や肩のリュックサック・ショルダーバックなど」。恐らくは満員電車の中で他人の背中や肩に位置するバックが、自分の体や顔などに当たり、痛い思いをしての回答と思われる。困ったことにこのような状況においては、バックを持った側はほとんど相手への迷惑行為を意識していない点にある(むしろ意識しないからこそ、満員電車内でも平気でリュックサックを背負ったままにしている、と考えることもできるが)。



総合的な迷惑行為、さらにはいくつかの個別の迷惑行為の内容を見ると、やはり上位回答項目に共通しているのは、「自分勝手」「相手の立場に立った考えをしない」点にある。そしてやや不思議な、あるいは禅問答的な感もあるが、今回の回答はすべて「迷惑行為をした側」ではなく「迷惑行為を受けた側」「迷惑行為を目撃した側」の立場で答えた結果であることに留意する必要がある(中には自己反省の意味で、自分がした迷惑行為を答えている人もいるだろうが……)。

重り「その行為で相手に与え得るであろう迷惑」と「自分が受ける便益」を天秤にかけ、自分の利が下がった人たちが行うのが、これらの「迷惑行為」と考えても良い。一人ひとりがこの天秤の「相手に与え得るであろう迷惑」の側のお皿に、一つ重りを付け加える、つまり「相手の事を良く考える、相手の立場に立って考える」心構えをすることで、電車内の迷惑行為は随分減少するはずなのだが。

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