【更新】米では株価復調を受けリスク資産が増加、日本は…(日米家計資産推移:2010年3Q分)

2010/12/18 12:00

日本銀行は2010年12月17日、2010年第3四半期(7-9月)における資金循環の日米比較に関するレポートを公開した。それによると世界各国、特にアメリカでの株価復調の影響を受けてアメリカは手堅い「債券」の額が減り、「株式・出資金」の項目の額は増加傾向を見せることになった。一方日本は「現金・預金」「株式・出資金」項目額が減り、「保険・年金準備金」が増加している。株価と景気の低迷が少なからず影響しているようだ(【リリース掲載ページ】)。

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今リリースは日本銀行が年4回定期的に速報値として発表しているもの。以前掲載した【日本の家計における金融資産の構成比率の変化をグラフ化してみる】から連携・連動させる形で色々とグラフ化してみることにする。

まずは直近、2010年第3四半期(3Q)時点での、日米の家計における資産構成比率。日本が「現金・預金」に大きく傾倒している一方で、アメリカが「株式・出資金」や「投資信託」、「債券」を大量に保有している図式に変わりは無い。

日米家計金融資産構成比率比較(2010年3Q)
↑ 日米家計金融資産構成比率比較(2010年3Q)

これを日米別にその推移をグラフ化する。まずは日本。構成比率と絶対額の推移を見てみる。

日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2010年3Q)
↑ 日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2010年3Q)

日本の家計金融資産構成推移(1997年-2010年3Q)(単位:兆円)
↑ 日本の家計金融資産構成推移(1997年-2010年3Q)(単位:兆円)

直近数年(2008年前後)で「現金・預金」の比率が大きく伸びたのは、貯金額そのものが増えたというよりは、株価の低迷によるところが大きい。今期においては「現金・預金額」「株式・出資金」が多少減り、その分「保険・年金準備金」の額が増えている。株価はこの時期低迷・やや下落傾向にあり、株周りの金融資産評価額が減少したものと思われる。

一方アメリカ。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2010年3Q)
↑ 米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2010年3Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2010年3Q)(兆ドル)
↑ 米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2010年3Q)(兆ドル)

アメリカでは該当期は株価が堅調に推移。「株式・出資金」の項目で額が増加する傾向を見せている。一部で「アメリカの貯蓄性向は増加傾向にある」という話もあるが、金額だけを見ると「現金・預金」項目は今期において確かに増加傾向にある。ただし比率はむしろ減少。理由を探るべく数字をよく見直すと、市場の堅調化に伴い各金融商品の保有額が増える中で、「債券」が率・額共に減少しているのが分かる。手堅く、それなりの利回りが得られる「債券」からスライドするあたり、機動力の高いアメリカらしさが見て取れる。

グラフには記載していないが、家計金融資産の総額は2010年3Q時点で日本が1442兆円、アメリカが45.7兆ドル。これはそれぞれ直近前期から(日本)マイナス0.20%・(アメリカ)プラス4.58%の変移となっている。アメリカは比率としてもそれなりの大きさで、株価の動向が大きく資産を底上げしたことが改めて分かる。国内外で不安定要素が山積みとなっている昨今、特に日本家計における金融資産総額と種類別比率がどのような動きを見せるのか、注意深く見守る必要があろう。


※2013.06.25.更新
今件記事は説明が多分に重なる部分などを省略した簡略版です。全体版及び最新版については【日米家計資産推移(日銀)最新記事】にて掲載しています。

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