【更新】将来への不安を覚え、安定を求め、「ゆとり」指摘には立腹……いまどきの高校生たち

2010/12/17 12:10

高校生フ電通総研は2010年12月15日、若者のリアルに迫る研究プロジェクト「若者問題研究所(電通ワカモン)」を立ちあげると共も、そのプロジェクトの第一弾として行った高校生を対象にしたアンケートの調査結果の一部を公表した。それによると調査母体の高校生においては、将来なりたい職業のトップには「公務員」がついたことが分かった。また、不安に思っていることの最上位に、大学受験では無く将来の就職がついてある辺りからも、世間一般で語られている就職難について大きく気に留めていることをうかがわせる結果となっている([発表リリース])。

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今調査は2010年9月16日から20日にかけて、携帯電話を使用したインターネット経由で行われたもので、有効回答数は600人。男女比は1対1、学年階層比は非公開。

今件は抱えている疑問、不安や将来への夢など、現在の高校生の考えをかいま見れるデータとして、注目に値する内容といえる。今件発表資料によると、現時点で「将来成りたい職業」としてトップについたのは「公務員」だった。

↑ 将来どんな職業に就きたいか
↑ 将来どんな職業に就きたいか

約1%の差で第二位についた「大企業の正社員」と合わせ、安定志向が極めて強いことを示唆する結果となっている。【なんでだろう? 「将来つきたい職業がある」高校生が減少傾向に】でもほぼ同様の結果が出ており、今件は再確認させられた形だ。

続いて「日本の将来について」と「具体的に不安に思っている事」。

↑ 日本の将来をどう思うか
↑ 日本の将来をどう思うか

↑ 不安に思うこと(複数回答)(上位10位)
↑ 不安に思うこと(複数回答)(上位10位)

楽観視する向きは1割強。しかも女性の方が非常に悲観的。興味深いのは「どちらかといえば不安」の回答率は男女で結構な差異が生じているのに、「不安」はほとんど変わりがない事。「高校生の三人に一人は日本の将来について強い不安を抱いている」という現実に、大人はどう向き合い、弁明をするのだろうか。

「高校生だから大学受験のことで不安なのでは?」という考えもあるかもしれない。確かに「不安に思うこと」の第二位には「大学受験」が入っている。しかしそれ以上に「将来の就職」が多くの人の不安要素として挙げられ、第三位以降に「将来のお金」「将来結婚できるか」「日本の景気」など、自分の将来を介して、社会全体を想うがゆえの回答が上位を占めていることから、そのような「大人の自分勝手な、そして悠長な考え」は到底肯定できまい。

他にも各項目を見ると、高校生の三人に一人が「将来年金がもらえるか」について不安を抱いているのが分かる。【公的年金の運用を知っている人は6割近く、テレビと新聞が主な情報源】でも触れたが、不安をあおるばかりと言われても仕方のないテレビなどは、どのような顔で彼ら・彼女らに顔を向けられるのか、聞いてみたいものだ。

最後に「ゆとり教育」問題。さまざまな弊害が噴出し、「ゆとり教育」の指揮者的存在の人物が個人ではむしろその教育方針を批判し、まったく逆の教育方針を推し進めるなど、「ゆとり教育」の施策そのものに恣意的なところがあったこともあり、ようやく状況は是正の方向にかじ取りされつつある。当事者にして一番の被害者ともいえる学生自身は「ゆとり教育を受けた世代」と言われることに、どのような感情を抱いているのか。

↑ 「ゆとり教育を受けた世代」といわれることをどう思うか
↑ 「ゆとり教育を受けた世代」といわれることをどう思うか

「ゆとり教育」云々は、現在ではどちらかというとネガティブな意味・表現として用いられる場合が多い。高校生達自身にとっては避けられない事態であったことも合わせ、快く思わない人が大多数を占めている。これは当然といえば当然。彼ら・彼女らにすれば「ゆとり教育を受けた学生が悪いというのなら、それを強要した大人がもっと悪い」という心境だろう。確かに「ゆとり教育」問題については、教育を受けた学生・若年層に非難が向かうことは多くとも、それを推進した人たちへの指摘はほとんど無いのが実情。

【外より家、遠出より近所……変わる若年層のライフスタイル】あたりでも触れているが、昨今の若年層に対する「問題とされる点」の指摘内容は、指摘をしている大人側に責がある場合が少なくない。そのような状況下において若年層の立場で考えれば、今回のような結果が出るのはある意味当然といえよう。

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