女性誌を読む女性はネット利用時間は短め、でもネット通販利用額は1.36倍

2010/12/22 06:36

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女性誌読みつつインターネット【大日本印刷(7912)】とその子会社のエムズコミュニケイトは2010年12月13日、女性誌の女性に対する影響力に関する調査結果の一部を公表した。それによると調査母体(若年女性)においては、女性誌を3か月以内に購入した経験がある人は45%に達していたが、それらの人は非購入者と比べて「インターネットの利用時間が短い」一方で「インターネットでのオンラインショッピングの利用金額は1.36倍も高い」傾向があることが分かった。雑誌に目を通すためにネット時間が減る一方で、雑誌を介して得た情報で購入性向が高まり、それを活かすためにネット通販を多用するパターンがあるものと想定される(発表リリース)。


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今調査は2010年3月にパソコン(PC)・携帯電話を利用したインターネット経由で15-34歳の女性に対して行われたもので、有効回答数は4000人。年齢階層比は非公開。

女性向けの雑誌といえば一般芸能情報誌、育児誌、料理関係誌など多種多彩なジャンルのものが発売されている。当サイトでも定点観測的に主要雑誌の印刷(≒販売)動向を確認しているが、最新の【週刊現代とプレモがなぜか…その他色々な雑誌部数の変化(2010年7-9月データ)】を見る限り、「育児誌」「食や料理を中心とした総合情報誌」においてはあまり調子は良くない。

実際、今件調査母体においても、「3か月以内に」1冊以上買った人は45%。半数以上は1冊も買っていない計算になる。女性誌も週刊誌・隔週刊誌が多いが、仮に月刊誌を定期購読していたら買っていなければならない最低冊数の「3冊」を超える人は、わずかに2割でしか無い。

↑ 3か月以内に購入した女性誌数
↑ 3か月以内に購入した女性誌数(再録)

一方で【女性はブログを信じてる!? 半数の女性がブログを参考に商品購入の経験あり】にもあるように、女性誌を読むことで当該女性は、商品情報や商品に対する信頼感、そして商品入手のモチベーションが高まりを見せ、高い効用を持つことも確認されている。今件調査でもそれを裏付けるデータが出ている。

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↑ 女性誌購入者における各メディアに対するイメージ(複数回答、女性誌購入者限定)

↑ 女性誌購入者における各メディアに対するイメージ(複数回答、女性誌購入者限定)(再録)

ところで、1日が24時間しかないのは万人に共通する決まりであり、それは女性誌を購読する女性にしても変わらない。雑誌を読む分、インターネットにアクセスする時間が少なくなっても当然の話。「ながら視聴・購読」の可能性もあるが、テレビやラジオならともかく、ずっと雑誌を読みながらインターネットへアクセスするのは曲芸に近い。

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↑ PC・携帯合算のインターネット利用時間(分、1日あたり)

↑ PC・携帯合算のインターネット利用時間(分、1日あたり)

「調査母体の女性って、パソコン・携帯合わせると、1日に3時間以上もインターネットにアクセスしているの?」という結果に驚くのはさておき。単純計算すると「女性誌に目を通す時間は20分くらいなのかな?」という想像ができる。「ながら購読」も合算し、「ネットの利用と女性誌の購読が完全補完で無い」とすると(例えば女性誌を読む女性は、睡眠時間を削って購読に当てる面もあるとか)30分-1時間くらいが妥当な線だろうか。

ところがネット通販の利用額を見ると、女性誌購読者の方が1500円程高い結果が出ている。ネットの利用時間にそのまま比例するのなら、むしろ非購読者の方が高くなるはずなのだが。

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↑ PC・携帯合算のインターネットでのネットショッピング利用金額(1か月あたり、円)

↑ PC・携帯合算のインターネットでのネットショッピング利用金額(1か月あたり、円)

これは素直に「女性誌の掲載情報で購入意欲が高まり、ネット通販の購入性向が増加した」と見て良いだろう。もちろん直接店舗を訪れて買い物をする場面・金額も増加していることが容易に想像できるが、今回の公開データではそれを確認することは叶わない。

ともあれ「女性誌購入者における各メディアに対するイメージ」のグラフ中の、特に「掲載商品のイメージがプラス」「自己の生活・ライフスタイルに影響」の部分がモチベーションを高め、その思いを即時反映できる手元のパソコンや携帯電話で「実践」する傾向が強いわけだ。

実際、【ネット通販を利用する状況、男は移動時・女はリラックスタイムに】でも触れているように、女性は男性以上にプライベート・リラックスタイムで携帯電話経由のネット通販を利用する。

↑ 商品を購入する際のシチュエーション(複数回答)(携帯電話、男女別)
↑ 商品を購入する際のシチュエーション(複数回答)(携帯電話、男女別)(再録)

自由時間に女性誌を読みふけり、気になる商品があればネットで調べ、「いいね」と思ったらその場で購入……というパターンも結構ありそうだ。


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