プラス7.9%、テレビの健闘ぶりが光る(経産省広告売上推移:2010年12月発表分)

2010/12/10 06:38

経済産業省は2010年12月9日、特定サービス産業動態統計調査において、2010年10月分の速報データを発表した。それによると、2010年10月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でプラス5.3%と増加を見せていることが明らかになった。主要項目別では「雑誌」がマイナス12.8%と、もっとも大きな減少率を記録している(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択の概要については記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で解説している。そちらで確認のこと。今記事はその2010年10月分データ(公開は同年12月)の速報値を反映させたもの。なおそれより前のデータについては、速報値の後に発表される確定値で修正されたものを用いている。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2010年9-10月)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2010年9-10月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしてみたが、先月と大まかな動向は変わらず、状況がより顕著化している様子が分かる。特に「テレビ」の健闘ぶりは大きく、これが売上高合計をプラスに押し出す形となった。「雑誌」は1年前の2009年10月では、その時点で前年同月比マイナス27.4%という大きなマイナス値を見せているにも関わらず、そこからさらに1割以上減らす形となっている。一部が電子書籍などに移行している可能性を考えても(ただし移行したのは書籍の販売方面であり、広告費周りはほぼ微額と想定される)、あまり好ましい状況では無い。

一方で「インターネット広告」は2009年9月の時点で、前年同月比がプラス51.3%。そこからさらに2割強の上乗せなのだから、大きく成長を続けているのが確認できる。

今回も該当月における各区分の売上高をグラフ化しておく。電通や博報堂の区分とは違うため、該当同月の両社データとの違和感を覚えるところもあるだろうが、参考値の一つ程度としてとらえてほしい。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年10月、億円)
↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2010年10月、億円)

今回取り上げた項目中では、「インターネット広告」はすでに「ラジオ」「雑誌」を超え、「テレビ」「新聞」に次ぐ第三番目の規模にまで成長している。しかし全体に占める割合はまだわずかでしかなく(該当月全広告費の6.6%)、「テレビ」のケタ違いの大きさにはまだまだ太刀打ちできそうにないのも分かる(五分の一程度)。ただし、「新聞」の広告費は中期的な流れとして漸減している一方、「インターネット広告」は伸長を続けており、順位が逆転するのもそう遠い日の話ではないと思われる。早ければ来年前半には、そのような事態に遭遇するかもしれない。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2010年10月まで)
↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2010年10月まで)

大勢としては「インターネットは激しい起伏の中で回復、プラス圏を維持」「テレビは2010年あたりから戻しの雰囲気」「ラジオはマイナス圏で低迷-やや下げ幅を縮小、一部はプラスに」「雑誌はかなり厳しいレベルの下げ幅を継続中」という傾向を見せている。特に「雑誌」は(繰り返しになるが)昨年ですでにマイナス20-30%の域に達していたのに、今年はそこからさらにマイナス10%内外を見せており、先が思いやられる事態となっている。だからこそ(海外での浸透やプラットフォームの急速な普及もあるが)昨今において、急速に「電子出版」「電子書籍」関連の動きが加速していると考えて間違いない。

「雑誌」、そして「ラジオ」の低迷と「新聞」の軟調さは広告代理店の業績上にも表れている。状況のダイナミックな改善を見出すことはできず、残念ながらここ暫くはこのような状態が続くものと思われる。一方で「インターネット」の堅調ぶりは当然として、「テレビ」の復調が気になるところ。これが一過性のものか、それとも継続的なものなのか、金額面ではその点に注目していきたい。

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