吉野家は「牛鍋丼」が貢献したが売り上げ増までには繋がらず…牛丼御三家売上:2010年11月分

2010/12/10 06:40

[吉野家ホールディングス(9861)]は2010年12月9日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2010年11月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でマイナス8.2%となり、いわゆる「牛鍋丼特需」が沈静化し、新製品「牛キムチクッパ」の攻勢も力及ばずという形となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」がプラス6.0%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」がプラス18.6%だったのと比べると、対象的な結果と言える(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家は2010年9月から「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献する形となった。当然客単価は落ちていたが、それ以上の客数の増加で売り上げは前年同月比を上回るものが9月では記録された。しかしその勢いも1か月で鎮静化に向かい、先月発表された10月分データでは、再び売上高は前年同月比でマイナスを記録してしまうことになった。11月分では「牛キムチクッパ」効果が期待されていたが、客数ではプラスを見せたものの客単価の減少分までをカバーすることはできず、再びマイナス値を見せることになる。

なお一年前の2009年11月においては「今だけヨシギュー祭」を展開していたものの、その時の業績は売上高前年比-6.8%・客数-6.8%・客単価プラスマイナスゼロ。「昨年同月の業績が良かったから、相対的に今年11月は及ばずだった」というわけではないのが分かる。

↑ 牛丼御三家2010年11月営業成績
↑ 牛丼御三家2010年11月営業成績

牛鍋丼はあるけど牛キムチクッパはありませんよ告知グラフを見ると分かるのだが、今月においては客単価で松屋だけがプラスを見せており、注目に値する結果となっている。客数は三社の中で一番上昇率が小さいものの、この単価の良さが売上高を押し上げている。また吉野家は客単価が相変わらずキツい減退傾向にあるが、これは今年相次いで投入している戦略商品「牛鍋丼」「牛キムチクッパ」によるところが大きい。

一方客数から見なおすと、吉野家の「牛キムチクッパ」はそれなりに集客効果があったことが分かる。またすき家では、店舗数そのものの増加も多少は加味されるが、それ以上に客数増加が著しいことが確認できる。客単価が落ちていても客の入りで売上を大きくかさ上げしているわけだ。

12月1日から吉野家では【吉野家、牛鍋丼などのトッピングメニューとして「牛鍋豆腐」「ねぎ玉子」を展開】で伝えたように、既存主要メニューにプラスαする形でのトッピングメニューを発売している。これはひとえに客単価を引き上げる施策に他ならない。戦略商品による客の入りがそれなりに堅調なのが確認されている以上、あとはいかに客単価を引き上げ、同時にお客の便益を積み増ししていくかが課題。

その観点から見ればトッピングメニューの展開は、オーソドックスだが一番シンプルで期待のできる施策といえる。吉野家の営業成績がどのような変化を見せるのか。非常に気になるところだ。

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