書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(2010年・「出版物販売額の実態」版)

2010/12/10 06:41

先に【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる】で記したように、出版物の販売額の調査データを収録した書籍【2010年版『出版物販売額の実態』を調達】し、各種データの精査を始めている。今回は書店の数とその総坪数についてグラフ化・検証を行う。二次資料からグラフを生成したことは何度かあったものの、一次資料からのものは今回が初めてとなる。大きな違いはないだろうが、データの再確認と、基盤データの構築という観点では有意義といえよう。

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さていきなり本題だが、書店数と総坪数の推移。手持ちの資料には2004年-2009年における、各年年末の数字がある。これを元にグラフ化したのが次の図。右側の坪の軸で「変化を分かりやすくするために最下層がゼロではなく90万坪になっている」ことに注意してほしい。

↑ 書店数・坪数推移(2004-2009年、各年年末集計値)
↑ 書店数・坪数推移(2004-2009年、各年年末集計値)

【書店数、確実に減少中…書店の減り具合をグラフ化してみる】【書店数と売り場面積推移をグラフ化してみる(2010年10月版)】などで指摘したのと同様に「書店数の減少」「総坪数の増加」が改めて確認できる。あくまでも単純計算でしかないが、この2つの数字から1店舗当たりの平均坪数を算出すると、やはりこれもまた前述記事で述べたように「書店の大型化」(大型店舗のみが生き残る、新設店舗の大型化、既存店舗の拡張、etc.……)が分かる。

↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数推移
↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数推移

結論としてもこれまでの二次資料を元にした記事とほぼ同じ。すなわち

「店舗数減退」
「総面積及び1店舗当たりの平均売り場面積の増加」
「書店の集約化・大型化」(方法は様々)

という傾向が確認できる。そして過去の記事で数少ない一次データである、経済産業省・商業統計調査からの(間が随分と抜けてはいるが)生成グラフと付き合わせると、この傾向がここ数年(グラフでは2004年から)の間のみではなく、少なくとも20-30年前から起きていたことが分かる。

↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)
↑ 書店数・売り場面積推移(経済産業省・商業統計調査より)(再録)

インターネット通販の普及は、一般小売業として書店に大きなプレッシャーを与えているのは事実。しかし、それはあくまでも書店周辺の動きを加速化させただけ(あるいはそう見えているだけ)で、流れそのものは前々から起きていたことが改めて確認できよう。



データの絶対量が不足していることもあり、やや正確さに欠けるのだが、収録されている6年分の店舗数・坪数の推移について、前年比を示したグラフを生成すると次のようになる。

↑ 書店数・坪数推移(前年比)
↑ 書店数・坪数推移(前年比)

経済動向全体や、業界内での動き(昨今なら電子書籍周りが一番大きい)で再び流れが加速化する可能性はあるが、この5年間の動きを見る限りでは「坪数は同じペースで増加継続」「店舗数は2007年が減少幅のピークで、それ以降はマイナス3%/年のペースで減少」のように見受けられる。もちろん年3%のマイナスも大きな値であることに違いは無い。しかし、業界の環境下で需給がそれを求めている以上、この流れは止められないと見てよいだろう。

「2010年版『出版物販売額の実態』」の発売日は2010年9月30日とある。来年の同時期頃には2011年版を調達し検証を重ねた方が良さそうだ。

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