【更新】誰もがモデル気分になれる古着屋のプロモーション

2010/12/03 12:00

モデルみたいな感じで企業が行うプロモーションにはいくつかの種類があるが、その一つが「いかにして多くの人に自分達を知ってもらうか」というもの。もちろん単純に認知してもらうだけでなく、できれば自分達の商品・サービスそのもの、少なくともリンクした形で記憶してもらうのが一番。世界各地で社会福祉や伝道、慈善事業などを行う救世軍(The Salvation Army)が経営している、貧しい人たちなどへ毛布を援助する古着チェーン店「Fretex」の認知のために同組織が行ったのは、日常の場面に非日常、しかも「夢のようなひととき」を提供し、自分達の事業を認知させるプロモーションだった([I Believe in Advertising])。

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↑ Salvation Army - Fretex…… Surprise Catwalk
↑ Salvation Army - Fretex…… Surprise Catwalk。

今件プロモーションにおいて求められていたのは、ノルウェーのオスロで開催されている「Oslo Fashion Week」(ノルウェーのブランドを世界にアピールするため、毎年2回開催のイベント。スカンジナビア諸国のファッション関係者が一堂に集まり、多種多彩な作品を展開していく(【地球の歩き方】参照))の期間中に、「Fretex」を一般市民に、何か奇抜で面白い方法を用いて認知させるかというもの。

色々なモデルさんたちと、ギフトカードそこで考え出されたのが、地下鉄構内から地上への出口部分にキャットウォーク(ファッションショーなどでモデルが歩く、舞台の中央に配されているステージ)を設置し、地下鉄を利用したお客達を「ファッションショーのモデル」に仕立てあげてしまうというもの。単純にステージを創るだけでなく、ステージの両脇にはファッション業界の業界人のような観客がずらりと並び、音響効果をはじめとした各種演出もファッションショーさながらのもの。ある人は驚き、戸惑いながら、ある人は意図を理解しモデルさながらに振舞いながらステージを通り過ぎ、「夢のようなひと時」を楽しむことになる。

そしてステージの終わりの部分では係の人から「モデルになってくれてありがとう」と感謝の意と共に、「Fretex」への衣服の寄付を勧めるメッセージが書かれたギフトカードが手渡される。ここでキャットウォークを通過してひと時のモデル気分を味わった人たちは初めて、「古着を扱うFretexにとっては、自分達は最新の商品となり得る服を着こなしている。だからFretexは(まるで新作ブランドの発表会のような)モデルとして歓待してくれたんだな」と理解することになる。

単純に「ブランドイベントの期間中だから、それを真似してキャットウォークでお客たちを太鼓持ちしよう」といった主旨なら、そのイベント自身への印象は強いが、そこで効果は断ち切れてしまう。しかし古着を扱う「Fretex」だからこそ、「Fretexにとって、あなたが今着ている洋服こそがすべて新作のブランドなのです」とアピールすることができ、一人ひとりに「キャットウォークでの楽しい体験」と「古着を扱うFretex」をリンクさせた上で深く記憶に刻むことができる。対象となる人たちを喜ばせ、その上で深い認知を与えるという点で、非常に優れたプロモーションと評価できよう。


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