外国語を学ぶ利点が悔しいほど分かる広告

2010/12/02 06:26

映画館の待合スペースでソーシャルメディア系の資料やリリースをはじめとした各種最新情報は、英語でもたらされることが多い。当方(不破)自身も義務教育で何年も英語を習っていたにも関わらず、読み通して意味をしっかりととらえるのに難儀させられる日々が続いている。当方の事例に限らず、日常生活で平凡な日々を過ごすだけならともかく、新鮮な空気を吸い新たな世界への窓を開くには、外国語の習得は必要不可欠なのだと折に触れて再認識させられる機会に、誰もが多々遭遇するものだ。今回紹介するのは、その「折に触れて遭遇する機会」をシンプルに体感し、外国語習得の大切さを知ることができるプロモーションである(【ADS of the World】)。

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↑ 映画館の待合スペースにドイツ語で……
↑ 映画館の待合スペースにドイツ語で……

これはセルビアのkontextという外国語学校が映画館で行った生徒勧誘のプロモーション。「kontextで外国語を習うことでどれだけのメリットがあるのか、リアルに知ってほしい。そしてそのメリットを体感した上で生徒になってほしい」という学校側のニーズに応えたもの。

具体的な手法は次の通り。映画館の待合スペースに「このメッセージが読めたら、私たち(kontext)はギャラリーでコーヒーを無料で提供しますよ(Falls Sie diese Nachricht verstehen,laden wir Sie zu einem gratis Kaffee in der Galerie ein.)」とドイツ語で書かれた垂れ幕を設置。何人かはドイツ語を読めることからメッセージを理解し、無料のコーヒーをゲットした。しかし多くの人は理解できず、メッセージが配されている意味に気がつかないか、内容が読めずに首を傾げるばかり。

そして映画が始まる前にスクリーンに大写しで、「あなたたちは無料のコーヒーを飲める機会を逃しましたね。外国語を習ってみてはいかがでしょうか」とセルビア語で表示が行われる。ここではじめて多くの人は、待合スペースの垂れ幕のメッセージの意味が分かることになる。

↑ 映画本編の直前に、母国語のセルビア語で「コーヒーを手に入れられなかったネ。残念っ。外国語習ってみたらいかがかな」とのメッセージが
↑ 映画本編の直前に、母国語のセルビア語で「コーヒーを手に入れられなかったネ。残念っ。外国語習ってみたらいかがかな」とのメッセージが

今件プロモーションではたった一杯のコーヒーではあるが、一人ひとりが「自分が外国語を知らないことで損をした、得する機会を逃した」体験をすることになる。多くの観客が、ほんの少し前の状況を思い返し「知っていれば」と地団駄を踏むような心境になるのは必至。しかも目の前に大文字で映し出されるメッセージにせせら笑われている感もあり、自分の無知に対する悔しさも倍増。当然奮起する人も多く、このプロモーションの結果、kontext外国語学校は外国語コースを修学する新規加入者を、40人以上も確保することができた。

この手法が優れているのは、外国語を習得していてもなかなか実社会では接することのない「外国語を知ってて得をした」と実感する機会を容易に提供し、kontextで学ぶことのメリットを提示したこと。そして「知らなかったから痛い目に遭った」という直接的ネガティブなものではなく、「知らなかったので得をすることができなかった」という間接的な損を用いたこと。「直接的な損」の場合は、プロモーションそのものへの反発心を招く可能性があるからだ。

シンプルで分かりやすく、しかも応用も効きやすいこの手法。日本でも容易に使えるに違いない。

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