ひとまず定点観測終了・日照時間をグラフ化してみる(2010年11月分)

2010/12/01 12:20

曇り春先に「やっぱり今年は晴れの日が少ない!? 日照時間をグラフ化してみる」なる記事の展開始まり、それ以降毎月定点観測を続けている日照時間推移。今回も気象庁のデータを元に、最新の2010年11月分のデータを盛り込んだ日照時間の推移を確認する。

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データ取得元は【気象庁の気象統計情報のコーナー】。まずは「最新の気象データ」から「天候の状況」を選び、そこから「日照時間」における、「昨日までの各期日平均」と「同時期の平年値」を比較。そしてその割合を示した地図をいくつか抽出する。赤系統の色ほど日照時間が平均より多く、薄い色で大体平均。灰色から黒に近付くに連れて日照時間が少ないことを意味する。

↑ 日照時間30日間合計
↑ 日照時間30日間合計

↑ 日照時間60日間合計
↑ 日照時間60日間合計

↑ 日照時間90日間合計
↑ 日照時間90日間合計

90日データでは東海地方と北海道北部で黄色系統の点が確認できるが、60日では本州でほぼその色は消えてしまう。ところが30日では再び本州、特に西日本において多くの黄色が配されている。10月は日照時間が平年比でマイナスの地域が多かったものの、11月では西日本を中心にプラスだったようだ。

東京、そしてお米の産地・新潟と熊本で定点観測データを検証
前回の記事同様(&データの継続利用のため)に、東京、そして米どころとして新潟と熊本において「気象統計情報」から【過去の気象データ検索】を選択。1989年から2010年11月までの月次データ、さらに過去21年(1989年-2009年)の月単位の平均値を出して、各地域ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)
↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

一連の記事掲載開始時においては、三地域では東京の1月分がやや長いだけで、後は平均・昨年と比べて短めだったのが懸念材料だった。それが一連の記事の連載開始理由でもある。それも5月に入ると三地域とも日照時間が長めの結果が出ており、9月までは安心できる状況だった。今回の11月分データでは先月の懸念も払しょくされ、特に西日本に位置する熊本で、日照時間の長さが見て取れる。新潟が少々短めだが、これくらいなら誤差の範囲だろう。

現時点で【三か月予報】から日照時間部分を抽出した限りでは、

12月……天気は、北日本日本海側は、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北日本太平洋側は、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。東・西日本日本海側は、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう。東・西日本太平洋側は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。沖縄・奄美は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
1月……天気は、北・東・西日本日本海側は、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。沖縄・奄美は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
2月……天気は、北・東・西日本日本海側は、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。沖縄・奄美は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。

とある。曇りや雪、雨について、12月に一部の地域で「平年と比べ多い」との表記があるのが気になるが、その他はほぼ「平年通り」。これなら心配性になる必要はなさそうだ。

1993年の「平成の米騒動」の時と比較してみる
さて、「今冬から春先における日照時間の減退と、それに連なるであろう冷夏となれば、想像されるのが農作物の不作」。春先はともかく梅雨前後以降はむしろ「酷暑」と呼べるほどの猛暑となり、以前ほど日照時間の上での心配は要らなくなった。むしろ【お米の品質、猛暑で大幅に低下し1等米比率が約6割強に留まる】でお伝えしたように、猛暑が起因でお米の品質が大幅に劣化するという状況にある。

すでにお米の収穫はほぼ終わっているが、一応念のため、直近で日照不足によるお米不足が特に問題視された1993年の「平成の米騒動」(この時の米収穫量の不足も冷夏が主要因だった)のデータを抽出。そして比較したのが次のグラフだ。データの上でも5-6月以降はそれまでの日照時間の短さを取り返すような、大きな数字が確認できる。先月10月はむしろ「米騒動」の時より日照時間が少なくなっていたが、11月は再び盛り返し。ただし収穫はすでに済んでおり、お米の作量や質とは関係が無いのが残念。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

1月ではどの地域も1993年よりも高い値を示しているが、2月以降はいずれも2010年の方が、1993年時よりさらに日照時間は少ないものとなっていた。しかし6月以降は東京・新潟がかなり多め、7月に入ると熊本も多めの結果となった。11月は東京と新潟でほぼトントン、熊本では大きく躍進しているようすがうかがえる。

なお各地域の10月までの累計日照時間を1993年のそれと比較すると、東京+15.0%・新潟+15.1%・熊本+11.7%となり、観察地域3拠点すべてでプラスを見せている。ただ、単純に合計値が多い少ないだけで問題が解決するわけではないのが、頭の痛みどころ。

ちなみに【90日合計の降水量を見ると】、元々直近で日照時間の長い九州-中国・四国地域で、降水量も少ない傾向が確認できる。曇りの日が続いたということか。日も照らさず雨も降らずで、農作物にとってあまりよい状況とは言えない。

↑ 降水量90日間合計
↑ 降水量90日間合計

日照時間に限っていえば、年間累計値という観点のみではほぼ安心できる域にまで達している。さらに11月となれば主要農作物、特にお米の収穫は終わり、日照時間の監視に対する需要度もさほどのものとは無くなっている。一方、【野菜の発育不足の影響を実際に目にして】から一か月が経過したが野菜の価格の高騰はまだ収まりを見せないでいる。今後の気象動向には一人ひとりが十分注意を払った方がよさそうだ。

一連の連載記事の当初目的「お米の収穫状況と日照時間の関連性をチェックする」を考えると、収穫がほぼ終わった今回11月分で、定点観測の意義はほぼ果たされたと考えてよい。記事タイトルでも宣言している通り、日照時間絡みの定期報告記事は今回をもってひとまず終了とさせていただく。データの定期取得は続けるので、来年以降もしイレギュラーな動向が確認出来れば(あるいはリクエストがあれば)、再び同様の趣旨の記事の展開を行おう。


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【今年は113年に一度の高温な夏】

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