「短い文章」「積極投稿」「携帯経由の写真」…モバイル端末の進化で変わるブロガーの気合いとブログの中身

2010/12/03 06:50

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モバイルブログ先に【あなたのブログ歴は?】でも触れているように、ブログを中心にデータを収集し分析を行うと共に、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは2010年11月3日、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開した(State of the Blogosphere 2010)。ブログの現状を把握できる貴重なデータが豊富に盛り込まれており、検証すべき項目も多い。今回はその中から「モバイル端末とブログの関係」について見ていくことにする。


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「State of the Blogosphere 2010」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われたもの。そのうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。

調査母体に対してブログの記事更新やコメントの書き込みを、携帯電話をはじめとするモバイル端末からしているか否かについて尋ねたところ、2割の人が「している」と回答した(※原文では「tablet or smartphone」とある。「単なる音声電話とショートメッセンジャーしか使えない携帯電話」を超えた機能、例えばインターネット機能や一般の電子メール、PDFリーダーなど各種ツールが使え、PDA(携帯情報端末)と同等、あるいはそれに近しい機能を持つ携帯電話のことを「smartphone」と定義している。多少の例外はあれど、日本の通常の携帯電話は今件資料の「smartphone」に該当すると見なしてよい)。

↑ 携帯電話・スマートフォン・タブレット機からブログを更新したり内容を追加したりしますか
↑ 携帯電話・スマートフォン・タブレット機からブログを更新したり内容を追加したりしますか

昨年と比較して全体値で4ポイントほどの増加を見せている。区分別では「業務派」が一番多く、「プロブロガー」が一番少ない。後者は念入りに検証した記事を書く必要性・傾向があるからだろうか。

モバイル端末からのブログ更新の頻度は、明らかに増加の傾向を示している。全体、そして(「業務派」は企業命令だから頻度云々を決められるわけでは無いので省略されている)どの区分でも増加派が6割を超えている。

↑ 1年前と比べてモバイル端末でブログを更新する頻度はどのように変化したか
↑ 1年前と比べてモバイル端末でブログを更新する頻度はどのように変化したか

興味深いのは「プロブロガー」の増加率が一番大きいこと。利用率が一番少ないことと合わせて考えると、「プロブロガーはモバイル端末を使う人は少数だが、それらの人は積極果敢に活用している」ということになる。

もちろん全体的に増加傾向を見せているのは、モバイル端末の性能が向上していること、ブログサービスやソフトウェア側でもモバイル端末上からの操作を考慮した機能が追加充実したことに寄るところが大きい。日本に限れば、パケット料金定額制の普及もプラスとなる。

最後に、モバイル端末からブログ記事を投稿するようになって、ブロガーに生じた心境・行動の変化について。ブログを投稿する側の立場からの変化と共に、「モバイル端末で閲覧している人のことも考えないと」とばかりに、読者の視点からもモバイル端末経由のことを考える傾向があるようだ。

↑ モバイル端末からブログを投稿するようになってどんな変化が起きたか
↑ モバイル端末からブログを投稿するようになってどんな変化が起きたか

無論一番大きな変化は半数超えの3項目、すなわち「短い文章」「積極投稿」「携帯経由の写真」。一歩間違えるとそれこそツイッターと同じようなスタイルになってしまうが(もっともツイッターは厳密には「ミニブログ」であり、それはそれで正しい方向性ともいえる)、今後高性能な(海外定義によるところの「スマートフォン」、そしてタブレットパソコン)モバイル端末の普及率が高まれば、これらの傾向がブログのトレンドになる可能性は否定できない。



本格的な内容の記事や図版を盛り込む場合、時間をかけて作成する場合には、パソコン経由でないと更新は難しい。一方で速報性を求める現地取材型の記事の場合や、ちょっとした、それこそ「つぶやき」のような記事の更新の場合、携帯電話の方が更新の手間のハードルが低い。パソコン経由の更新がモバイル端末にとって代わる……ということはさすがに難しいが、モバイル端末の長所を活かした利用頻度はますます高まっていくに違いない。


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